日本は世界初・最高という言葉を好む。 繁華街から少し離れた東京・新宿の家の近くのラーメン屋にも「日本で一番麺が細いラーメン屋」と書かれている。 当初はただの「最初・最高好き」と軽く考えていた。 しかしこれが日本の底力の断面であることに気づいた。 日本ではどこにでもあるラーメン屋でも各店が特性を生かしている。 入っている野菜も違うし、スープの味も他の店と差を出す。 麺の太さでも違いを出すのだ。
最初・最高になるには一つの分野で研究を続けなければならない。 日本人がよく言う「一所懸命」という言葉は職人精神を圧縮している。 一つの所で命を懸けて最後までやり遂げるということだ。 こうして特定分野の専門家になれば「オタク」という別称を得る。 自分の分野に没頭するという意味のこうした「オタク人間」は日本では300万人にのぼると推定される。 オタクはいつもメディアの注目を受け、尊敬の対象になったり伝説になる。