生きていれば頭ではわかっても心で納得いかないことがある。試験に落ちて、職場で切られて、1人だけ昇進できなかった時がそう。自分だけなぜ? 人より何がだめで、どこが悪いのか。 気持ちではまったく納得できないのだ。しかし頭では十分に分かっている。事実は人よりできなくて、劣っていて、そんな結果が出たということを。そんなときは早く気持ちを抑えて頭を開くほうがいい。それでこそ次の機会もあって、明日の失敗も阻むことができる。でも分かりながらもそれがうまくできない。結果はもっと大きな失敗と挫折がオチなのだ。
このごろ米国がそんな格好だ。ワシントンは先日、米国品物使用義務「Buy America」条項というのを作った。「公共事業では米国産製品と装備しか買わないことにする」というものだ。米下院がこれを通過させると世界が沸き立った。グローバルスタンダードと言いながら、自由貿易とグローバル化を強要したのはいつの話で、自分のところの経済が厳しくなったら、他人の品物使わないと鍵をかけて閉ざしてしまうのか。どういうことだ。