米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が、基準金利を事実上のゼロ水準に引き下げた。それでも資金が回らない場合には、今後発券力を動員してドルを直接発行して市場に供給することにした。ゼロ金利の状況では金利をさらに引き下げて資金を供給するのが困難なためだ。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は16日、「現在1%の基準金利を0~0.25%に引き下げる」と明らかにした。市場の引き下げ予想幅(0.5%)を超える水準だった。今回の措置により5.25%に達していた金利は1年余りでゼロ水準まで下がった。金利は米国での過去最低で、世界的にも最低水準となった。これまでは日本が0.3%で最も低かった。FRBはまた、1.25%の公定歩合も0.5%に引き下げた。
FRBは声明を通じ、「弱い経済要件を考慮すると異例に低い現在の金利水準が相当な期間続くだろう。成長と価格安定のためすべての可能な手段を動員する」と明らかにした。