「返済が遅れていることはよく分かっている。 しかし今は韓国ウォンがあまりにも値下がりしている。 ウォン安が解消すれば決済するので少しだけ待ってほしい」

「今は一部だけ支払い、その後にすべて返済する方法について話そう。 それとも中国内に保証人を立てるか…」

先月２６日午前９時ごろ。 世界最大の雑貨卸売市場といわれる中国浙江省義烏市の国際トレードシティーではこうしたやり取りがあった。

５万余の店舗が集まるここには毎日２０万人のバイヤーが訪れる。 売掛金の決済時期を延ばしてほしいと話すのは韓国デシン貿易のイ・デギュ代表（４３）。 決済を要求しているのはイ代表に５年間陶器製品を供給してきた大理石店舗の責任者の王氏だった。

イ代表が決済できなかった金額は約１０万元。 春の契約当時の為替レートでは約１５００万ウォンだった。 しかし先月２５日現在２３００万ウォンに膨らんでいる。 １元＝１５２ウォンだった為替レートはこの７カ月間で１元＝２３４．２４ウォンになったからだ。 ３０分間ほど話し合った結果、１１月から毎週水曜日に５０００元ずつ支払うことで合意した。

次に行ったのは包装材の供給会社。 まず決済してから交渉を始めようという取引先の職員とイ代表の間で大声が行き交った。 イ代表はこの６年間で中国を４０回ほど出入りしているベテラン貿易商。 イ代表は「韓国の内需沈滞と中国の物価上昇に頭を悩ませているが、ウォン安という悪材料までが重なった」とし「この６年間で最も苦しい時期」と話した。


＜カバーストーリー＞「中国の物価上昇にウォン安の悪材料」（２）