公務員年金法改正案が昨日、閣議で可決された。最近、年金制度発展委員会(年発委)が提示した原案のままだ。「苦痛分担」への意志が足りないと非難する世論を広がせた、その原案が、修正なしに通過した。
これについて行政安全部(行安部)は「世論聴取の際、意見の隔たりがなかったためだ」と説明した。だが、年発委内部ですら不満の声があがっている。ある専門委員は「年発委を握っている公務員の反発のため、意見をきちんと出しにくかった」と打ち明けた。
今月14日に開かれた年金改革公聴会には、公務員労組員が団体で押し寄せ、ドタバタ騒動を繰り広げた。「議事の進行すら厳しい状況で、意見の聴取なんてできるか」と出席者らは声を高めた。一言で改正案づくりから世論聴取の過程まで、改革の意志をきちんと盛り込む機会がなかったというのが専門家の不満だ。一部では「最初から年金改革作業を公務員に任せてはならなかった」と批判する声まであがる。行安部公務員が幹事を務め、公務員団体の代表が委員として参加する年発委で、公務員への処遇を縮小する意見が受け入れられにくいというのだ。