「社員同士では‘為替レートの津波’と呼んでいる。導入費用は急増したのに無策のままで、心配だ」--。
輸入車会社、ホンダ・コリアのパク・ジョンソク取締役はこのように嘆いた。同社は今年に入り月平均1万台以上を韓国内で売り、業界トップの座を固めたが、第4四半期の決算で赤字を計上することを懸念している。バイクを除いたホンダ・コリアの製品は100%円で代金を決済することから、ウォン安円高が進めば、それだけ輸入コストが上がる。だから売れ行きが好調でも心配だ。
先月、ほぼすべての輸入車ブランドの販売が減った中、「インフィニティ」は伸びた。しかしこの車を輸入・販売する韓国日産のオム・ジンファン取締役は「車がたくさん売れてもウォンが下がって心配」と話す。同社もやはり円で代金を本社に送金する。ほかの日本車輸入会社も苦しいのは同じだ。1年間ウォンの対円相場は66%も暴落した。米ドル(40%)やユーロ(27%)より下落の幅がはるかに大きい。