韓流が最高潮に達したとき、日本では‘嫌韓流’が猛威を振るった。2005年に発刊された漫画「嫌韓流」シリーズは80万部が売れ、一気にベストセラーの仲間入りとなった。しかしこの本の内容は韓流に関するものではなかった。安重根(アン・ジュングン)を貶め、韓日併合の正当性、ハングルと韓国文化の卑下、従軍慰安婦問題、独島(トクト、日本名・竹島)の領有権主張などを盛り込んだ反韓内容がほとんどだ。最近中国での反韓感情が危険水位に達していることも日本の前轍を踏むようで懸念される。
しかし中国人の反韓感情に対する皮相的な考察と一時的な弥縫策では傷は深くなるだけだ。われわれは過去10年を振り返り、数千年の歴史で初めて中国人に対して横柄な態度をとって見下していた期間ではなかったか反省しなくてはならない。中国の空港に着くや、やたらと金を使い、中国人を蔑視し、うぬぼれていなかったか反問してみよう。その間に知らず知らず反韓感情が積もっていったのだ。1億人の視聴者がドラマ『大長今(テジャングム、=宮廷女官チャングムの誓い)』を見て、若者が韓国歌謡とインターネットゲームにはまり熱狂したが、それは一時的な現象で、中国文化が満たせなかったものを韓流が一時的に満たしていただけだったのだ。
1992年のロサンゼルスでの黒人暴動の際、韓国系住民が集中的に襲われ大きな被害に遭った。移民の国である米国で黒人はすべての移民者グループから差別を受けてきたが、韓国人らは特にあからさまに差別した。その結果、韓国人が定着するころに起きた黒人暴動で韓国系住民は‘やられたようにやりかえされた’というわけだ。