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北、「障害」の日本人拉致問題…今度は糸口見いだせるか

2008.05.25 12:23
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北朝鮮がテロ支援国指定から解除されるための最後の関門は日本人拉致(らち)被害者問題だとされる。

北核問題をめぐる6カ国協議関係諸国がすでに北朝鮮の核申告内容を非公式ながら肯定的に評価している状況で、米議会に対し相当な影響力を持つ日本の反対がどの程度かが最後の決め手に働きうるからだ。

 
北朝鮮が米国との交渉テーブルにテロ支援国解除問題を載せて以来、日本人拉致被害者問題は山場ごと浮き彫りになった。朝米国交正常化を目指すテロ支援国解除問題を協議しはじめた2000にもそうだった。

日本は拉致被害者と北朝鮮にとどまっている元赤軍派メンバーの引き渡しを強く求めた。米国は日本の圧力を受け入れ、同年4月25日に国務省ブリーフィングを通じて「米国は北朝鮮とテロ支援国解除を扱うことにあたって、同問題の解決を重要な措置に見なす」と明らかにした。

北朝鮮・平壌(ピョンヤン)を訪問した当時のオルブライト米国務相も金正日(キム・ジョニル)国防委員長に「日本人拉致問題は日本だけでなく米国にとっても重要なことだ」と話した(米議会調査局・CRSの韓半島専門家ラリー・ニクシー氏の『CRS議会報告書』)。

もちろんクリントン大統領の訪朝の取りやめなどが、その後、朝米間の交渉が決裂した契機だった。だが日本の拉致問題提起も、2000年末、韓半島情勢の流れに大きな影響を及ぼした。ブッシュ政府がスタートした後も日本の圧力は続き、04年4月、米国務省は北朝鮮をテロ支援国に指定する理由として日本人拉致問題を公式に明記し、発表した。しかし▽北朝鮮の核実験▽米共和党の中間選挙での惨敗――以降、米国が北朝鮮への接近方法を抜本的に変えて以来、状況は変わった。

特に昨年1月、ドイツ・ベルリンで行った朝米協議以降、米国はテロ支援国解除と日本人拉致問題を分離し取り扱いはじめた。5月に安倍晋三首相が米ホワイトハウスを訪問した当時、ライス国務相は「米政府に、日本人拉致問題をテロ支援国解除問題に結びつける法的義務がない」と話したという。

昨年末、米国が北朝鮮に対して核施設の無能力化や申告を完了する見返りにテロ支援国解除を約束し、日本はテロ支援国解除の阻止に総力をあげた外交戦を繰り広げた。日本は、6カ国協議関係国のうち5国が分担している対北エネルギー支援も、拉致問題の未解決を理由に参加せずにいる。

米国は朝日両国に拉致被害者問題の突破口を作ることを求め、日本政府もそれなりの妙策探しに没頭している。両国の体面を保てる最後の解決策が作りだされるかもしれない、という期待もある。

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