<チャイナインサイト>米中ともに「多国間主義」と書いて「陣営競争」と読む(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.12 16:56
トランプ政府に入り、米中葛藤が一層激しくなる中で中国は重要な欠点を発見した。航空母艦、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、宇宙武器まで備えた中国だが、米国は中国にはないものを持っていた。多くの同盟国だ。中国が持っていない資産だった。バイデン氏が大統領選の遊説過程で中国を狙って同盟との関係を強化すると宣言すると、中国は他国とのネットワークを強化する多国間主義戦略パラダイムの重要性をより強く認識することになる。これに伴い、米中二強者構図の新型大国関係を拡張し、新型国際関係に戦略の傍点を移すことになった。
新型国際関係は中国政府が2013年から使ってきた用語だ。全く新しく打ち出した戦略というよりは、中国が具備したさまざまな戦略シナリオのうち、今の時期はこれを重用するというものだと解釈することができる。すでに「国際関係」という用語があり、果たして何が「新型」なのかに対しては、相変らず内部的論理確立過程にあるようだ。だが、戦略的指向するところは明らかだ。中国が米国との競争を成功裏に進めるには、中国も米国のように国際社会で「友達」をたくさん作らなければならず、友好的ネットワークをコンパクトに構築しなければならないということだ。これを国際政治学的修辞で包装したものがすなわち「多国間主義」だ。
習氏は最近、ダボスフォーラムで多国間主義を繰り返し強調した。2020年11月に開かれた上海協力機構の演説でも、同年9月の国連総会演説でも、7月のアジアインフラ投資銀行(AIIB)総会開幕式でも多国間主義に言及した。中国共産党機関紙「人民日報」は「中国は始終一貫して多国間主義を実践していく」という別途評論を出したりもした。