三星が予想を超えた刷新策を発表した。李健熙(イ・ゴンヒ)会長が辞任し、李在鎔(イ・ジェヨン)三星電子専務は、海外の現場にて白衣従軍(格下げされた兵士が実力で名誉を回復に向けた努力をすること)することにした。グループの中枢の戦略企画室は解体される。4兆5000億ウォン規模の借名口座は実名変更後、社会事業に使うことにした。李会長は「まだ進むべき道は長く、すべきことも多いので残念だが、これまでの咎はすべて引き受ける」と述べた。三星の刷新案はこれまで提起された改革案を大部分受け入れたものと評価される。20兆ウォン以上という循環出資の解消と、持ち株会社設立も時間を置いて検討すると約束した。ひとまず三星と李会長は、捨てられるものはすべて捨てた。
三星が21年間、李会長のリーダーシップの下、大きく飛躍したのは否定できない事実だ。新経営-非常経営-グローバル経営-創造経営を通じて三星の売上は10倍、収益は75倍、現価総額は140倍増えた。李会長は先頭に立って果敢な人材採用とグローバル化を率いた。三星は韓国の歴史上、世界に通じる一流企業に成長した。もちろん光とともに影もあった。最近、特検捜査を通じ借名口座の暗い裏面が現れた。李会長はその責任を負って潔く退くことを選択した。
これから三星の歩みが重要となる。三星はすぐれたリーダーシップを見せた船長を失った。選択と集中で勝ち取った過去の成功神話とも決別しなければならない。これから李会長の空白と戦略企画室の不在が三星の運命に影響を及ぼすかもしれない。三星はネットワークと独自の経営を通じて将来をかきわけていくほかない。三星は「各社、独自的な経営力をもっている」と説明するが、簡単に安心することはできない。三星にはもうどうしようもできない過去とまだ来ぬ不透明な未来が待っている。