<取材日記>ソウル地下鉄「女性専用車」に集まる視線

<取材日記>ソウル地下鉄「女性専用車」に集まる視線

2007年10月31日15時22分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  ソウル地下鉄に女性専用車両を導入するというソウル市の計画をめぐり議論が広がっている。ソウル市が30日に伝えたところによると、ソウル地下鉄は来年初めから、通勤時間帯に1~8号線全線(先頭車両と最後尾車両のみ)に女性専用車両を導入する計画だ。

  女性乗客の反応が良ければ専用車両を拡大する案も検討している。女性専用車両を設ける理由は深刻化する性犯罪を防ぐため。地下鉄の性犯罪は、05年465件から昨年608件へと急増した。地下鉄の性犯罪は今年前半だけでも346件に達し、今年全体では昨年より増える見込みだ。

  路線別には、05年から今年前半まで第2号線が741件で最も多く、第4号線も351件にのぼった。混雑する路線ほど性犯罪が頻発している。それなのに地下鉄警察隊の人数は114人にすぎない。交代勤務を行うため、実際1日平均およそ30人が勤務しているわけだ。この人員で犯罪を予防するのは無理だと判断し、ソウル市は苦肉の策として女性専用車両の導入を決めたのだ。

  だが、こうした方針の実効性に疑念を抱く人々も多い。女性専用車両の導入は今回が初めてではない。92年12月に仁川(インチョン)~水原(スウォン)区間の国鉄と地下鉄第1号線に女性専用車両を設けたことがある。だが、いつの間にか姿を消した。女性専用車両に乗る男性が多くなり、専用車両が有名無実になったからだ。

  日本では47年に女性専用車両を初めて導入した。日本でも韓国と同じく、実効性を理由に撤廃・導入を繰り返した後、現在は東京の主要路線で平日の通勤時間帯に女性専用車両を導入している。だが、効果が大きくはない模様だ。韓国性暴行相談所のイ・ミギョン所長は「混雑する通勤時間帯に女性専用車両を導入しても実効性があるだろうか」とした。

  ソウル市は、積極的な広報を通じ市民が自発的に参加するよう誘導する、との計画だが、忙しい時間帯にそうした誘導が男性乗客にアピールするかどうかも分からない。また、性犯罪を予防する、との趣旨には共感するものの、すべての男性を「潜在的性犯罪者」扱いする、という見方もありうるとのこと。

  ビョン・ヘジョン梨花(イファ)女子大学韓国女性研究所研究教授は「性犯罪の深刻性を認識させるとの点から有意義だが、専用車両を利用しない女性は犯罪対象にしてもいい、というわい曲された認識も招きうる」と指摘。ソウル市は、女性専用車両の導入に先立ち市民の意見を聴取し、懸念される副作用に綿密に備えなければならない。
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