囲碁の発祥地は中国で、それが韓国を経由し日本に伝ぱされた、というのが長い定説だ。囲碁がインドで始まったとの説もなくはないが、韓国棋院の年鑑にも、囲碁は中国の尭王(ぎょうおう)が作ったもの、となっている。ところが、仁済(インジェ)大碩座教授の陳泰夏(チン・テハ)氏が論文「文字学から考えた囲碁のえん源」で「囲碁の発祥地は韓国」と主張した。次は論文の内容をまとめたもの。
囲碁は古代中国で「碁」や「奕」と記された。これら文字は、論語・孟子・長子・史記などで見られるが、これで囲碁が尭舜時代ではなく、周以降、漢以前に作られたもの、と考えられる。後漢時代の説文解字には、「碁」と「奕」が囲碁と解釈されている。ところが、後漢の説文解字より前のものである、前漢の揚雄が編さんした本『方言』には、囲碁がバクドク(毒)と記されている。