起亜(キア)車労組の採用不正事件を眺める国民の心が崩れている。 労組委員長の謝罪からは反省の気持ちが伝わらない。 「自分たちだけではない。この地の大企業はみんな同じだ」という主張には、ぞっとするような意地が感じられる。 「(問題になった)生産職に不利益を与えるいかなる挑発もしないことを願う」という辞退声明には、体質化した傲慢さが表れている。
上級団体の全国民主労働組合総連盟(民主労総)も同じだ。 これまで真相調査団を構成しただけである。 検察は、民主労総が02年に起亜車光州(クァンジュ)工場労組の採用不正疑惑を調査した事実に注目している。 不正の輪郭を把握した蓋然性があるということだ。 仮に、民主労総が患部を知りながらも目を閉じたとすれば、放置できない倫理的堕落である。