<趙英男の日本文化ルポ>3.「夜の文化」の韓国留学生たち

<趙英男の日本文化ルポ>3.「夜の文化」の韓国留学生たち

2004年11月11日16時08分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「水商売」で代表される日本の「夜の文化」に関心を示す人がかなりいる。アン・アリソンというフェミニズムの人類学者もその一人のように思える。たとえば、同氏は、日本のクラブなどで密かに行なわれている「夜の文化」を、文化人類学のフィールドワーク(野外調査)の対象にし、乱れた性文化と男性優越主義の文化を批判した。

  実は、そうしたものは、韓国人にとって好材料だ。「日本文化は好色文化」という韓国人の常識を裏付けてくれるからだ。だが、私はきょう、そうした常識とは異なる側面に触れたい。先に結論から申すと、日本の「夜文化」のきちんとしたマナーについて語りたい。また、その夜の文化を習ってくる韓国女性のことを、別の見地から考えてみよう、との提案である。

  誰もが知っている事実だが、非公式的なチャンネルを通じて稼働されている日本文化の存在まで念頭に置き、習うべきものはぜひ習おう、とのことだ。くだらない偽善などやめようというのが私の少し飛んだ提案だ。

  本論だ。妙なことに日本に行くと、なぜか日本風の酒場には行かず、常に韓国風の酒場にばかり行くようになる。日本には、それだけ韓国風の酒場が多い。たとえば、新宿や赤坂などに行くと、まるで明洞(ミョンドン)、狎鴎亭洞(アプグジョンドン)の町角にいるような気がするほど韓国風の酒場がずらりと並んでいる。だが、日本の特質とされる好色文化を期待し、酒場に入った人ならば、がっかりしてしまうだろう。

  2人で約100万ウォン(約10万円)を支払わなければならない高価な酒場だが、あらかじめ言っておくが、私が見た限り、「そうした雰囲気」は全くない。ひとまず、酒場のスタイルから韓国とは全然違う。別の見方をすれば、最も不便な形かもしれない。オープンされた空間に、仕切りなど一カ所もなく、すべての顧客は互いを眺められる距離に座り、酒を飲まなければならない。

  韓国風の仕切りや密室もありそうだが、まだ私は一度もそうした所には行ったことがない。顧客は、まるで野遊びをしているかのように、ホステスのそばに座り酒を飲むが、私は今回、そこで何故それほど気楽に酒を飲めるのかについて考えてみた。文章で書くのは非常に難しいが、何よりも、オープンされた空間に、照明も明るく、華しゃだ。明るいから、行動に気を使わざるを得ない。

  韓国の場合、バンドが音楽を演奏しはじめると、対話が完全にできなくなるが、日本では、音楽は決められた空間でのみおう盛に演奏される。日本の酒場の長所は、何と言っても、そこで行なわれる日本風のマナーだろう。かなり以前から通っているが、ただ一度も顧客とホステスの見苦しいトラブルを見たことがない。

  今回行った新宿のある酒場は、驚くことに、1日に2回の営業をしているらしい。夕方から午前1時まで1回目の顧客を接待し、続いて新しいオーナー、新しい酒、新しいホステスが新しい顧客を迎えるとのことだ。私は、あまりにも不思議に思えて、本当にクロージングの時間になったら、酒を飲んでいた顧客が帰ってくれるだろうかとし、賭け事をした。もちろん、私が負けた。

  韓国では想像もできないことではないか。そうだ。そこへ行けば、日本特有のマナーを見ることができる。酒場ですら、礼儀正しい。さらに不思議なのは、そこの若い女性たち。みな韓国女性だ。ところが、それらのマナーが一様に優雅で、本当に韓国女性だろうか、と思えるくらいだ。皆が知っていることだが、韓国永東(ヨンドン)付近にあるクラブのホステスは、ほとんどが無表情か無愛想だ。

  半面、日本とは異なり、見苦しい享楽的な狂乱が繰り広げられるのも、韓国酒場特有の2つの顔である。日本では、何故そうすることができないのだろうか。基本的に、韓国人ほど暴飲しないからだ。韓国人は、酒と酒を混ぜて(爆弾酒)飲むが、日本人は水と混ぜて(水割り)飲む。だから、そこで働く韓国女性も、自然に日本風のマナーを身に付け、それに従わざるを得ない。

  昼は日本語学院に通いながら勉強している女性も多い。私には、他国で一生懸命勉強している留学生と異ならないように思えた。日本の「夜の文化」で働く留学生であるわけだ。しかも、それらは泣き言を言ったりせず、むしろ稼いだ金の一部を本国に仕送ったりまでしている。酒場のホステスなどといった前近代的な偏見で、それらが「捨てられた人間」にされる理由は少しもない。

  それらの愛国心を褒め称えて銅像まで作ることはないものの、少なくとも、われわれはそれらを励まし、受け入れるべきだ。私も中学3年の娘を育てている父だ。非公式のチャンネルを通じて行なわれている韓日交流についても、偽善を捨てて、きちんと見るべき部分を見るようにしよう、と提案したい。いかがだろうか。

  私の提案を不快に思う方も一部いらっしゃるだろうが、こうした「考え方の構造再編」を行なうべき時点が、国交正常化40周年を目前にした現時点だと思う。
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