KBS(韓国放送公社)の時事番組「メディアフォーカス」が北朝鮮の軍歌である「赤旗歌」を背景音楽に使ったのは、非常に無責任だ。 放送局は、赤旗歌の使用はミスだとして謝罪したが、決して謝罪だけで済む問題ではない。
赤旗歌は、労働階級の革命思想を象徴する旗である赤旗と密接に関係する北朝鮮の代表的革命歌謡だ。 日本統治時代には抗日武装闘争を繰り広げた共産主義者によって歌われ、解放後に左・右翼が対立した時期には左翼系列の歌として、その後は人民軍の軍歌として愛唱されている。 赤旗歌は映画『シルミド』でも使われて物議をかもした。 当時は行き過ぎだという非難も多かったが、映画の事実性を高めるための一つの道具として理解すべきだというラインで適当に妥協した。
しかしKBSが赤旗歌を放送したのは、その性格が大きく異なる。 KBSは、あらゆる年齢層の視聴者が見守る地上波だ。 放送の内容は公正かつ中立でなければならず、何よりも正確性が保たれるべきだ。 不正確で偏った放送は、視聴者の判断を誤らせる。 にもかかわらず、政府が要請した国軍のイラク出兵報道自制の問題点を扱いながら赤旗歌のメロディーを放送したのは、赤旗歌を国軍の軍歌と誤解させる資料を視聴者に提供したということに変わりない。 KBSは果たして正気なのか尋ねたい。 国民の税金と聴視料で運営される公営放送が、北朝鮮の軍歌と韓国の軍歌を区別できなかったというのは弁解であり、責任を回避しようというものだ。