「重すぎるのが解雇の理由になり得ない」。ロシアのポチノク労働社会発展相は２９日、「体重が重い」との理由で解雇されたボルショイ劇場のプリマ、アナスタシア・ボロチコワさんが起こした不当解雇救済請求への審判で「ボロチコワさんは再び劇場へ復帰するように」との判断を下した。

記者らに会ったボロチコワさんは「正義は必ず勝つ」とし、労働社会発展省の決定に満足する姿を見せた。

しかし、同氏が即時プリマとしてボリショイ劇場の舞台に立つのは難しいものとみられる。 体重が５０キロという同氏の主張とは違って劇場側は「実際の体重は６０キロにのぼる」と暴露した。

そのうえ、ボルショイでボロチコワさんを持ち上げていた唯一の男性ダンサー、エブゲーニ・イワンチェコさんが昨夏せき髄の負傷で引退したという。イワンチェコさんは先週「ボロチコワさんが重すぎて、これまで苦労した。何回も大きなけがをするところだった」とし、劇場側の立場をかばった。