衣類管理機は実際、消費者に馴染みのある家電製品ではなかった。ＬＧエレクトロニクスが２０１１年に初めて発売した「スタイラー」も発売当時は大きな人気を呼ぶことができなかった。１００万ウォン（約９万８０００円）をはるかに超える価格に、アイロンやクリーニング屋を完全に代替できる製品でもないためだ。

衣類管理機が注目され始めたのは粒子状物質・黄砂などが生活の問題として位置づけられ始めてからだ。サムスン電子の調査によると、「粒子状物質などの問題で衣類管理機が必要だ」と答えた消費者が２０１５年には１０％しかなかったが、今年の調査では５４％へと大きく増加した。サムスン電子が一歩遅れて市場に合流したのも衣類管理機市場が爆発的に大きくなるだろうと判断したためだ。

「スタイラー」で衣類管理機市場を構築したＬＧエレクトロニクスは、衣類管理機の競争に自信があるという立場だ。

ＬＧエレクトロニクス側は「２０１１年、製品を発売する９年前から研究・開発（Ｒ＆Ｄ）をしてきてスタイラー関連特許だけで約５３０個を保有している」と強調した。

スタイラーの核心部品と製品はすべて韓国国内で生産されるため、ＯＥＭ（相手先ブランド名製造）方式で製作する他社の製品と品質の面で差別化できるというのもＬＧエレクトロニクスの主張だ。

コーウェイが今年、戦略製品として発売した「四季衣類清浄機」は衣類管理機と空気清浄機の機能を兼ねている。製品の下段の空気清浄機が部屋にかかっている服まで快適に管理することができる。ＬＧエレクトロニクス・サムスン電子の製品より価格も４０万ウォン程度高い方だが、レンタルサービスに強いコーウェイは１カ月に５万ウォンで利用できるという点を消費者にアピールしている。

衣類管理機をめぐる競争は結局、各製品の特徴が消費者にどれほど受け入れられるかにかかっているとみられる。

しかし、ＬＧエレクトロニクス・サムスン・コーウェイの各製品性能が表から見るには大きく変わらないというのが問題だ。３社の製品は大きさと高さがそれぞれ１～３センチの差しかない。ドアを開ければ服をかけられる空間も３製品いずれも同じ会社で作ったといっても信じるほど似ている。

衣類管理機製品が国内でしかよく売れないのも限界点と指摘される。ＬＧエレクトロニクスが日本・米国・カナダなどにスタイラーを発売したが、依然としてほとんどの製品は韓国内で売れている。サムスン電子もこの日、市場の拡大が容易ではないという点を認めて「米国内ホテル、レストランなどをターゲットとして企業顧客をターゲットにマーケティングを始めたい」と明らかにした。


韓国でしか流行しない衣類管理機、サムスンも発売（１）