【社説】雇用惨事の悲鳴、まだ聞こえないのか=韓国

【社説】雇用惨事の悲鳴、まだ聞こえないのか=韓国

2018年08月18日13時45分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  これ以上落ちる余地は残っているのだろうか。昨日の統計庁によると、7月の新規就業者数は5000人増だった。また失業者は7カ月連続で100万人を上回った。5000人は韓国経済が正常だった当時の新規就業者30万人の60分の1にすぎない。米国発グローバル金融危機の影響があった2010年1月以来8年6カ月ぶりの雇用惨事だ。世界景気の好調で主要国では人手が不足しているが、韓国だけが深刻な状況を迎えている。

  これは文在寅(ムン・ジェイン)大統領の1号事業である雇用政策の完全破産を意味する。昨年5月、文大統領は執務室に雇用状況ボードを真っ先に設置し、雇用委員会も構成した。これまで雇用政策に動員された予算だけでも54兆ウォン(約5兆3100億円)にのぼる。本予算内の雇用関連予算は昨年の17兆ウォンからは今年は過去最大の19兆ウォンに増えた。さらに2回の雇用関連補正予算として15兆ウォン、最低賃金支援のための雇用安定資金として3兆ウォンが動員された。天文学的規模の予算がじゅうたん爆撃式に投入されたのだ。

  しかしその結果は雇用の破産だ。特に最低賃金引き上げの影響を最も多く受ける卸小売業、宿泊・飲食業、事業施設・支援・賃貸サービス業など脆弱業種だけで19万1000人が職場を失った。最も残念なのは産業の中枢である製造業の就業者が12万7000人減少し、労働市場の軸となる30-40代の就業者が23万9000人減ったという点だ。多くの家長が職場を失い、通貨危機当時のような家庭破壊につながらないか懸念される。

  最低賃金引き上げから1年間で雇用がこのように深刻になり、下半期以降がさらに心配だ。状況が悪化していくのは明白だからだ。今年の最低賃金16.4%引き上げの衝撃をなんとか乗り越えた零細業者と自営業者に、来年また10.9%引き上げの津波が襲う。さらに先月から週52時間労働が画一的に施行されている。経済現場では悲鳴があがるしかない。

  このような雇用惨事に歯止めをかけなければ韓国の共同体全体が危機を迎えるかもしれない。生産可能人口が職場を失って失業手当を受け、生活保護を受けることになれば、福祉費用負担が幾何級数的に膨らむ。国家非常事態と変わらない。このような災難がちらつくが、政府には危機感が見えない。経済担当部処と統計庁は最低賃金を聖域化した青瓦台(チョンワデ、大統領府)の表情をうかがいながら「猛暑による委縮」「卸小売業種の過当競争のため」など幽体離脱式の弁解を続けている。

  現実を直視しなければいけない。文大統領が自ら政策方向を果敢に変える必要がある。最低賃金据え置きや再審議など大統領緊急命令権の発動も考慮すべきだろう。これに先立ち所得主導成長と最低賃金、脱原発など誤った政策を強行した経済ラインの刷新が求められる。青瓦台は砂漠の沈黙にも耳を傾けると述べた。にもかかわらずなぜ目の前で沈没中の韓国号の悲鳴には耳をふさいでいるのか疑問だ。
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