【コラム】スパイが暗躍していた時代と賄賂があふれる韓国社会

【コラム】スパイが暗躍していた時代と賄賂があふれる韓国社会

2018年08月02日11時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「疑問死真相糾明委員会(以下、疑問死委)の非常任委員として、職務上取り扱った事件と同一の事件を担当したと認めにくく…」

  7月17日、韓国検察は「民主社会のための弁護士の会」(以下、民弁)のペク・スンホン前会長の弁護士法違反容疑に対して不起訴とする決定を下した。

  容疑は初めからなかった。ペク弁護士は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の「真実・和解のための過去史整理委員会(以下、過去史委)」が扱った事件当事者の国家賠償請求を代理しただけで、自身が関与した金大中(キム・デジュン)政権の疑問死委関連事件を担当したことはない。検察は2つの委員会が異なる機関であることを知るのに3年4カ月(初の召喚日2015年3月12日)を使ったといえる。

  ペク弁護士に伝達された不起訴理由通知は「特にスパイが暗躍した時代」に対する送辞だ。盧武鉉政権の時、存在の危機を迎えた公安検事は朴槿恵(パク・クネ)政権で第2の全盛期を迎えた。「金淇春(キム・ギチュン)秘書室長-洪景植(ホン・ギョンシク)民情首席-黄教安(ファン・ギョアン)法務部長官」ラインナップは象徴にとどまらなかった。2006年29件だった国家保安法違反事犯起訴件数は2013年124件に急増した。2013年「ソウル市公務員スパイ」と2014年「保衛部直派(直接派遣)スパイ」事件は結論ありきの捜査そのものだった。結局、局面は逆転した。国家情報院は虚偽自白を強要し、検事はこれを書き取り無実の人を捕まえていた事実が明るみになった。

  2014年秋、検察は民弁と場外白兵戦を繰り広げた。野戦司令官の金秀南(キム・スナム)ソウル中央地検長はペク・スンホン-キム・ヒョンテ弁護士を最終ターゲットとした過去史委受任不正捜査と2人の「スパイ」を弁護したキム・インスク-チャン・ギョンウク弁護士に対する懲戒という戦線を引いた。公安の目には彼らも「スパイ」に映ったかもしれない。しかしキム・ヒョンテ弁護士は「控訴時効が過ぎた」という理由で免訴判決を受け、懲戒申請は「無効」との結論が下された。公安の時代はそのように幕を下ろしていった。

  今や「特捜」の時代だ。周辺部をうろついていた一群れの特捜検事が「崔順実(チェ・スンシル)特検」を経て中央地検に入城した。2人の前職大統領を引きずり下ろした贈収賄罪が「積弊清算」というポピュリズム的スローガンを法的に具現化する特殊兵器として登場した。しかし勢いが良かった行進にブレーキがかかり始めた。朴前大統領と「青瓦台実勢3人組」らの国家情報院特殊活動費(賄賂)授受容疑に対する1審無罪判決はその信号だ。「人事権者が公務員から受けたカネが賄賂でなければ何か」という検察の主張を、裁判所は「漠然として抽象的な推測」と一蹴した。特捜の「特殊な」目が正しかったことを願う。彼らが暴こうとしている過去がとりわけ賄賂があふれた時代だったと信じたい。特捜の時代すら、暗鬱な検察共和国の裏面に過ぎないと苦笑いを浮かべるだけではとても物足りない。埃を叩き出すような捜査、「拘束量産→自白」依存、被疑事実公表に近い世論戦など、検察の真の積弊を清算する時を逃したことが一番痛い。

  イム・チャンヒョク/中央SUNDAY次長
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