<済州フォーラム>ノーベル賞受賞の経済学者「貿易戦争、軍備競争のようにすべて滅びる道」

<済州フォーラム>ノーベル賞受賞の経済学者「貿易戦争、軍備競争のようにすべて滅びる道」

2018年06月28日13時00分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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ノーベル経済学賞受賞者であるニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授が27日に済州国際コンベンションセンターで開かれた済州フォーラムで「米中間の貿易戦争と北東アジア情勢に及ぼす影響」を主題に特別講演をしている。
  「貿易戦争の余波で世界の貿易量は1950年代水準に戻るだろう」。

  米ニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授は2008年にノーベル経済学賞を受賞した碩学だ。トランプ米大統領が主導する保護貿易主義政策の対称点に立つ代表的な自由貿易主義学者だ。

  クルーグマン教授は27日、貿易戦争の本格的な到来を警告した。彼はこの日第13回済州(チェジュ)フォーラムでの「グローバル貿易戦争と北東アジアの安保環境」主題とする特別講演で、「本当に驚くべき特異な時代。歴史的に貿易体制後退の動きがあったりはしたがいつも回復してきた。だが今回はそうでないかもしれない」と強調した。

  クルーグマン教授が描いた貿易戦争の姿は「報復の悪循環」だ。彼は「米国が関税を課せば中国と欧州連合(EU)などが報復関税を課し、米国が再び再報復措置を出すだろう」と話した。

  クルーグマン教授はこうした貿易戦争を「過去への退歩」と診断し、「国ごとに関税率が40%水準まで上昇する可能性があり、この場合には現在の世界貿易量の3分の2程度が減少して1950年代水準になるだろう」と話した。2016年現在で世界の平均関税率は4.8%水準だ。関税率が貿易戦争により10倍程度に上がれば貿易量も急減するほかないという話だ。

  彼は「中国製携帯電話には韓国、米国、日本などさまざまな国の技術が使われており、それだけ技術と開放に基盤を置いた複合的バリューチェーンが形成されている。こうした開放貿易体制が貿易戦争により一時後退しかねない」と懸念する。続けて「貿易戦争は人を殺すものではないが、軍備競争のような悪影響を及ぼすという側面では文字通り戦争だ。互いに資源を無駄に浪費し、ともに貧しくなる状況を作るという面で軍備競争と同じだ」と説明した。

  貿易戦争の引き金を引いた米政権をクルーグマン教授は繰り返し批判した。彼は「貿易戦争をリードする代表的な走者は米国だ。トランプ大統領が国家安保を理由にカナダ製鉄鋼とアルミニウムにも関税を課したが、これは正常ではない」と指摘した。

  米国の労働者がトランプ政権の政策で苦痛を受けるだろうという懸念も出した。クルーグマン教授は「ハーレーダビッドソンが欧州の報復関税のため生産基地を移すと話したが、これは嵐の始まり。米国内で最大700万人が新しい仕事を探さなければならない苦しい過程を体験するだろう」と話した。

  米国とともに主要2カ国(G2)の地位にある中国に対しても「世界経済で悪役をしている。中国が地位に見合わず依然として知的財産権を保護せず、先進国の利益をかすめ取る方向に成長している」と批判した。

  韓国と関連しては「貿易戦争に最も弱い国は韓国のように輸出主導的な競争体制を持つ国。アジア地域の貿易量を増やしバッファーゾーン(緩衝地帯)としなければならない」と助言した。彼は「アジアもEUを手本に域内貿易体制を整えることができるだろう」と提案した。

  ◇「最低賃金引き上げは万病薬ではない」=クルーグマン教授はまた、この日ソウルの全経連会館で開かれた対談で、韓国の最低賃金引き上げ率をめぐり「(他の国に比べ)相対的に高いようだ。最低賃金引き上げは万病薬にはならない」と指摘した。彼は米国の事例を挙げ、「米国の最低賃金がシアトル水準で1時間当たり15ドルになる場合、生産性が高い州では問題にならないが、生産性が低い州では問題になりかねない。最低賃金引き上げは常に良いことばかりではなく、適正水準を維持しなければならない」と話した。彼はまた、週52時間制に対しては「上限を定めるのは望ましい」としながらも、「労働時間は個人別に調整できるようにしなければならない」との考えを示した。

  
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