【社説】文在寅-金正恩、非核化の大長征の扉を開く
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2018.04.28 14:30
韓半島(朝鮮半島)が完全な非核化に向けた重要な一歩を踏み出した。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は昨日、分断の象徴である板門店(パンムンジョム)の南側施設「平和の家」で南北首脳会談を開催し、「完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共同の目標」を確認し、「北側が取っている措置が非核化のために重大な措置という認識で一致し、韓半島非核化のための国際社会の支持と協力のために積極的に努力」することで合意した。そしてこうした合意を「板門店宣言」に明示した。過去3回目、11年ぶりに開かれた南北首脳会談で、非核化問題が核心議題として議論されたのは初めてであり、これを合意文に明示したのも初めてのことだ。
政府が前に出した「平和、新たな開始」のスローガンと、金委員長が芳名録に署名した「新しい歴史はこれから」という言葉のように、韓半島情勢は新たな変曲点を迎えることになった。昨年まで「韓半島戦争説」が浮上し、わずか数カ月前まで「誰の核のボタンがより大きいか」などと言葉の爆弾が交わされていたことを考えると劇的な変化だ。しかし非核化への前途は長いという事実も表れた。金委員長が考える非核化がどういう意味であり、どんな方法でいつまで非核化を実現するかなどには全く言及されなかった。このため今回の合意は非核化の大長征の終着点ではなく出発点という声が出ている。
韓国政府は当初、南北首脳会談の議題に3つを挙げた。完全な非核化、恒久的な平和の定着、南北関係の画期的な改善だった。しかし最も重要な議題は断然、非核化だった。非核化に進展がなければ国連の対北朝鮮制裁を避けることができず、平和の定着や南北関係の改善は見通しが暗くなるからだ。残念ながら今回の合意文で3大議題は南北関係の改善、軍事的緊張状態の緩和、平和体制の構築に整理され、非核化は平和体制の構築の下位項目に入って比重が弱まった。