何かと言うと“時限付き”…韓国ドラマの「不治の病」なのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.25 14:15
言い換えれば、すでに20年余り前からも時限付きや不治の病はドラマなどで使い古されてきた素材だということだ。これを新たな視線もなく、ロマンスの装置として活用するのは陳腐に映ることはもちろん、時には視聴者を馬鹿にしているような行為にも見えたりもする。時代の流れによって、視聴者の意識も、死や病気に対する態度や社会的イシューも変化しているためだ。
そんな中でも、『先にキスからしましょうか』はまだ死を見つめる新たな視点を含んでいる。ムハンはスイスのある病院に尊厳死を申し込んで最後を準備しようとする。これを知ったスンジンはムハンを病院に入院させようとする。ムハンはこれに従いながらも「私にとって、どう生きるかはどう死ぬかなんだ」と言って、自分の「尊厳」について何度も話をする。これはこれまで不治の病という素材を視聴者を泣かせる素材として使っていた今までの流れとは異なる。ドラマ評論家のコン・ヒジョン氏は「苦痛と痛みが内在した不治の病という素材は、感情移入できる普遍的素材であるためずっと続く」としながら、代わりに「普遍的な素材を陳腐に踏襲することほど無責任な行為はない。新しい見方やアプローチを組み込む努力が必要」と話した。