【社説】韓国雇用部のサムスン電子営業秘密公開決定、慎重な判断を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.09 11:45
サムスン電子に対する雇用労働部の作業環境測定報告書公開決定が論議を呼んでいる。勤労者の労働災害の立証のためというが、「半導体コリア」の技術が流出するという懸念が強まっているからだ。雇用部は最近、忠清南道牙山市湯井(タンジョン)のサムスンディスプレー工場と京畿道器興(キフン)・華城(ファソン)・平沢(ピョンテク)のサムスン電子半導体工場の作業環境測定報告書の公開を決めた。白血病死亡勤労者の遺族が労働災害の立証に必要だとして要請し、雇用部がこれを受け入れたのだ。これに対しサムスン電子は直ちに行政審判を請求して公開が保留されたが、営業秘密が露出するという懸念の声が続いている。
作業環境測定報告書には、雇用部が作業場の安全と保健の点検のために6カ月ごとに事業場の作業環境を調べた結果が含まれている。サムスン電子半導体工場の場合、大型ウェハーが投入されて爪ほどの大きさの半導体チップが生産されるまで500にのぼる工程があり、その作業環境がすべて記録されている。しかしこの工程は徹底的に秘密にしている。基本工程はどの会社も同じだが、どのように装備を配置してどんな薬品を使用するかによって製品の収率が変わるからだ。専門家らはこうした理由から「サムスンはすべての企業のベンチマーキング対象であるだけに、政府が企業競争力を害するおそれがある場合はできる限り慎重に接近する必要がある」と指摘している。