韓国初のAI弁護士、法律事務所に“就職”…「弁護士70%が路頭に迷うことに」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.05 15:47
韓国初の人工知能(AI)弁護士が今年2月、大型法務法人に「就職」した。弁護士だけで約150人がひしめく韓国トップ10の法律事務所(ローファーム)であるDR&AJUのAI弁護士「ユーレックス(U-LEX)」のことだ。ユーレックスは、担当弁護士と法律秘書数人がこれまで短くて数日、長くて数カ月かかって作業をしていた関連法条項の検討や判例分析などの事前リサーチ業務を20~30秒で済ませる怪力を発揮し、業務に素早く適応している。2016年5月、米国ニューヨークにある100年の伝統を持つ法律事務所「ベーカー&ホステトラー(Baker&Hostetler)」がAI弁護士「ロス(ROSS)」を初めて「採用」したことが世界的に話題になったが、それからわずか2年で、韓国にもAI弁護士が現実のものとなった。この流れでいくと、相当数の弁護士が路頭に迷うことになるのではないかとの暗鬱な見通しまで登場している。
2016年に発刊された「国連未来報告書2045」は、30年後にAIに取って代わられる危険性が高い職業の一つに弁護士を挙げている。コンサルティング会社デロイト(Deloitte)も同年、「20年後に英国法律市場で39%の雇用が消える」と警告した。私たちの目の前にいるAI弁護士がただならない理由だ。AI弁護士はどのようなもので、業務能力はどの程度なのだろうか。このような好奇心に突き動かされて、先月末と今月初めにAI弁護士ユーレックスと「協業」中のDR&AJUのもとを訪ねた。
刑事裁判であれ企業諮問であれ、普通の弁護士事務室には証拠資料など事件に関連した書類の山とかたいハードカバーで綴じられた法律書籍があちこちに積まれているはずだ。ところがDR&AJUの「リーガルフロンティアチーム」10人の弁護士の1人であるキム・ヒョンウ弁護士兼公認会計士の事務室には本箱どころか最初から紙というものはなかった。弁護士業務のうち、少なくとも30%、多くて70%までが事前法律検討作業に費やされるが、どうしたらそのよくある証拠資料一つ用意せずに担当事件を準備することができるのか。答えは机上の43インチ大型モニターの画面上に姿を現した韓国初のAI弁護士ユーレックスが握っていた。キム弁護士は「以前は判例の確保どころか該当事件に関連する正確な法律用語が何か、そしてこれと関連した法律にどのようなものがあるのかを把握するだけでかなりの時間を取られたが、AI弁護士との協業で今は数十秒あれば終わる」と話した。ユーレックスが日常的言語を法律用語に変えた後、既に学習済みの数十万件の法令や判例を素早く検索して重要度順に整理して提示してくれるからだ。