韓経:【コラム】「質問」を失った大韓民国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.02.08 10:55
「カクテキ(ダイコンのキムチ)は2センチ角で切るのが正解ですか?」。大韓商工会議所は昨年春、政界にこうした公開質問書を送った。各政党に送った「大統領選候補に差し上げる経済界提言文」は、ある中学校での実際の状況を入れた。2016年の技術家庭科中間考査で「次の調理法のうち間違ったものを選びなさい」という問題が出題された。「わかめスープを作る時、わかめは冷たい水に浸して4センチの長さに切る」「ジャガイモ炒めを作る時、ジャガイモは0.5センチ、ニンジンとタマネギは0.3センチの厚さで切る」「カクテキを漬ける時、ダイコンは3センチ大で角切りにする」のうち、「間違ったもの」は「カクテキのダイコンは3センチ」だった。教科書では2センチになっているためだった。
気になることばかりだ。カクテキがそうだとして、わかめをもう少し長くあるいは短く切ったらなぜだめなのか。ジャガイモとニンジンとタマネギの厚さと配合に変化を与えたら何か問題があるのか。いまの教育・入試制度でこうした質問をすれば間抜け扱いされるだけだ。与えられた答を暗記して最大限多く当ててこそ高い点数を取り良い大学に入れる。このような教育を受けた人材が融合・複合を核心語にする第4次産業革命時代をどのように率いることができるだろうか。
特定の中学校の技術家庭科だけの問題ではないので状況は深刻だ。大学、それも韓国最高学府というソウル大学でも違いはない。イ・ヘジョン元ソウル大学教育学科研究教授が書いた『ソウル大学ではだれがA+を取るのか』には、「高い単位を取る秘訣は教授の講義内容を完璧に(冗談まで)すべて書き取ること」という内容が出てくる。「教育は考えられる人を育てることなのに、韓国の教育は学生の考えを殺す。私たちは『1592年壬辰倭乱』をただ暗記することが知識だと考える。先進国ならば『壬辰倭乱のような戦争はどのような社会変化をもたらしたか』を問う」。