【時論】故ジョンヒョンさんの死から見たK-POPの影と光(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.28 14:10
ところで、SHINeeの舞台を見るたびに筆者は「あのように曲芸に近い振りつけをしながら歌まで完ぺきに消化するためにはいったいどれほど多い練習をしたのだろうか」とも考えたりした。多くの人々がすでにご存知のように、これは骨を削るような努力と競争システムの産物だ。アイドルになるための最初の関門は練習生オーディションだが、特に「3大事務所」と呼ばれるSM・YG・JYPの場合、オーディションの競争率が時には数千対1に達する。一例としてSHINeeの他のメンバーである「キー」の場合、8000対1に近い競争率を突き抜けて選抜されたことで有名だが、さらにこのような競争率を突き抜けて該当事務所に練習生として選ばれたといってもデビューが保障されるわけでもない。彼らは事務所が決めた窮屈な訓練プログラムを忠実に履行し、同時に月ごとに実施する「月間評価」を成功裏に通過しなければならない。この評価で3~4回以上指摘された部分を改善できなかったり、発展した姿を見せることができなかったりする場合、その練習生は事務所から「練習終了」、すなわち退出を通知される。そして、このように苛酷な過程の中で生き残ってデビューを果たしても、すでに飽和状態になっているK-POP音楽界で成功するために彼らはもう一度の激しい生存競争を余儀なくされる。
結局「完全体アイドル」とは10代時代から彼らが体験し、今でも絶えず体験しているプレッシャーとストレスの結果であるわけだ。さらに、最近では音楽とパフォーマンスだけでなく、身なり、言葉巧み、そして日常生活そのものまで全部ソーシャルメディアやリアルタイムのインターネット放送を通じてファンたちに一種のコンテンツとして供給される。それこそ24時間、365日ずっと一度も息つく暇もなく、スケジュールが続くわけだ。