【コラム】習近平の「ゴマ粒」外交術と鄭律成=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.21 09:58
中国軍歌の父で呼ばれる鄭律成(チョン・ユルソン)は1945年に帰国し黄海道(ファンヘド)で朝鮮労働党黄海道委員会宣伝部長を務めた。中国共産党指導部と縁があった革命戦士出身夫人の丁雪松は北朝鮮の食糧特使として活動し、韓国戦争(朝鮮戦争)を控え新華社平壌(ピョンヤン)支社の社長を務める。戦争が起きると丁雪松は周恩来首相に夫とともに帰国させてほしいと手紙を書いた。周首相は親筆の手紙で金日成(キム・イルソン)首相の同意を引き出した。金日成は「中国共産党がこれだけ多くの幹部を育成してくれたのに鄭律成1人送るからと何か問題があるか」と前向きに答えたという。同年12月に鴨緑江を渡り中国共産軍文化宣伝隊の一員として参戦した鄭律成は金日成が主宰した歓迎晩餐会場で中国の小説家劉白羽に「奮闘する兵士たちが歌うよう歌を1曲作りましょう」と即席提案をしたりもした。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は訪中期間に学生らを座らせて両国が近代史の苦難を体験した同志だとして鄭律成に言及した。このために「1人飯」問題と合わせて国格損傷議論を呼んだ。オンラインの主力コメントは外交というものが国益基盤の実用主義というまた別の基準で評価するという論理で厚い防御幕を張りながら自分たち同士でたたき合う膠着状態になった。
規模に似合わず中国は拙劣にも見えるゴマ粒のような外交技術で駆け引きし国益を最大化する。韓国製核心部品または材料には手を付けず、やりやすい消費財や流通業・旅行業に手を出して経済報復を行う。貴賓を冷遇したり相互主義が原則の外交で政務判断権限が認められていない党序列100位圏外の行政官僚が相手国首脳の肩やひじに手を当てるのは高度な計算から出た挑発だ。北朝鮮が対米外交のテコとして価値が高い時には権力トップが北東部の辺境に駆けつけて食事の席を設けたり北京駅のプラットホームで出迎えたりもし、見送りもした。韓国大統領であっても中国側に利用価値がある時には清国皇帝の仮宮を開き予定になかった特別午餐に招いたりもする。