【社説】国家情報院改革は政権との絶縁宣言から=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.12.03 12:57
国家情報院が看板を「対外安保情報院」に変え、既存の職務から対共捜査機能を切り離すことを骨子とする国家情報院法改定案を出してからこれに対するさまざまな懸念が提起されている。歴代国家情報院長のほとんどは「南北対峙状況でスパイはだれが捕まえるのか」として国家情報院の対共捜査権廃止に強く反対する。対共捜査の特性上、情報収集と捜査が分離するのは困り、むしろ国家情報院を解体して捜査と情報収集を国家情報院ではない別の機関で担当させる方がましだとの問題提起も情報専門家らの間から出ている。対共捜査の迅速性、情報・保安維持の必要性などの観点から見れば国家情報院自らの改革案は今後対共捜査の空白現象を呼び起こす素地が明確にあるように見える。その上対共捜査機能をどこに移管するのか具体化してない状況で国家情報院が改定案を出したのは性急だったという批判も受けるに値する。
こうした国家情報院自らの改革案の問題にもかかわらず、国家情報院の積弊は今回の機会に必ずえぐり取らなければならない。国内政治に介入してはならないという法規定があるのに国家情報院はこれまで政権の侍女の役割を正確にしてきた。2012年の国家情報院コメント事件に現れたように国家情報院は民間人を動員して政権に批判的な世論を鎮めたり親政府的な世論を操作するのに加担した。朴槿恵(パク・クネ)政権時代の南在俊(ナム・ジェジュン)、李丙ギ(イ・ビョンギ)元院長の相次ぐ逮捕に見られるように、国家情報院が情報収集などの活動に使うべき特殊活動費を青瓦台(チョンワデ、大統領府)に上納するなど国庫損失を招いた容疑も受けている。情報機関要員が政府批判のインターネットの書き込みにコメントをし、高位幹部がアタッシュケースに現金を入れ青瓦台関係者に渡したのが韓国の情報機関がこれまで国民に見せた惨憺とした恥ずかしい姿だった。「スパイはだれが捕まえるのか」という論理で情報機関としての基本を喪失した国家情報院をそのまま置いておくことはできない。(中央SUNDAY第560号)
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