【社説】文在寅政権の繰り返される人事乱脈、発想転換が切実だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.07 13:12
文在寅(ムン・ジェイン)政権が執権序盤から人事に足を引っ張られ漂流する様相を見せている。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金基正(キム・ギジョン)安保室次長が任命から12日で更迭され、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官候補は偽装転入に虚偽議論まで重なり聴聞経過報告書の採択が不透明な状況だ。このように人事をめぐる雑音が続き一刻を争う核心閣僚の人選も原点から再検討に入った。国防部長官内定者とされる宋永武(ソン・ヨンム)元海軍参謀総長、社会副首相兼教育部長官候補に指名された金相坤(キム・サンゴン)元教育長の人選が遅れているのが代表的だ。女性を卑下する内容が盛り込まれた著書で物議をかもしたタク・ヒョンミン儀典秘書官室行政官の去就も取り上げられたという。このように人事乱脈の様相が加熱すれば国政動力が急激に喪失するかも知れない。人事の方式に根本的な転換が必要な時だ。
人事が絡まる核心原因として「単数検証」を指摘する声が多い。現在の青瓦台の人事は文在寅大統領が望む公職候補者1人の名前を民情首席室に送る方式とされる。人事権者の意向を知る民情首席室参謀としては検証のものさしを厳格に突きつけるのが難しくなるほかない。文大統領が「破格人事」を好む傾向も指名された候補を簡単に落とすことができない原因とみられる。
こうしていてはいけない。人事推薦と検証権限を明確に分離し大統領の影響が作用する可能性を封じ込めなければならない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権がそのようにした。人事首席秘書官が挙げた推薦案と民情首席秘書官が上げた検証案をひとつのテーブルに載せ、大統領秘書室長と首席秘書官が審議を経て合意する方式だった。また、中央政界に貸し借りのない地域市民運動家の鄭燦竜(チョン・チャンヨン)氏を人事主席秘書官に抜擢し全権を与えた。こうすれば密室人事や推薦人事が割り込む隙が減るほかない。文在寅政権もこうした方式を復活されるなら人事乱脈の様相は大幅に減るだろう。