【社説】韓米FTA5年 自由貿易基調が退歩してはいけない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.15 13:37
韓米自由貿易協定(FTA)がきょうで発効5周年を迎えた。結果は自由貿易が双方に利益をもたらした点を明確に示している。世界交易規模が萎縮する中でも両国間の交易はこれまで年1.7%の伸びを記録した。米国内における韓国商品シェアは2.6%から3.2%に、米国商品の韓国市場シェアも8.5%から10.6%へと上昇した。大きく見れば商品市場では韓国が、サービス市場では米国が大きな効果を享受したと評価される。
10年前の交渉過程で体験した陣痛がうそのようだ。韓米FTAは2007年6月、韓国盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府と米国ブッシュ政府の間で妥結した。盧大統領は「韓米FTAが先進国へと成長するための韓国の新成長動力になる」と強調した。だが、労組や市民団体はもちろん、当時与党だった「開かれたウリ党」の相当数の議員も強く反発した。「水の値段が暴騰する」「盲腸の手術費が900万ウォン(約90万円)に上昇する」という怪談まで飛び交った。孫鶴圭(ソン・ハッキュ)・鄭東泳(チョン・ドンヨン)前議員などはFTAを乙巳勒約(第二次日韓協約)にたとえながら反対の手を止めなかった。FTA5年の結果はどちら側が正しかったかをはっきりと示している。
今はむしろ米国がFTAを問題視している。ドナルド・トランプ米国大統領は「韓米FTAは米国人の雇用を殺す協定」としながら再交渉の動きを具体化している。今月1日に発表された米通商代表部(USTR)の例年報告書は「協定発効以降、米国の対韓貿易赤字が132億ドルから276億ドルへと倍になったので再検討するべき」と主張した。だが、実際は両国交易が盛んになるなど「米国に災難」というトランプ大統領の主張は間違っているが、米国内政治のために韓米FTAを問題視しているという指摘が出ている。