【社説】朴大統領に向かったブラックリストの疑惑
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.23 13:11
金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長と趙允旋(チョ・ユンソン)前文化体育観光部長官が収監者番号が書かれた名札をつけて手錠をかけたまま、昨日特検チームに召還された場面は象徴的だ。朴槿恵(パク・クネ)政府で“王室長”“シンデレラ”とそれぞれ呼ばれ、権力の中心にいた2人の実力者の墜落はブラックリスト(文化芸術家に対する政府支援排除名簿)の存在や不道徳性を確認してくれた。また、特検捜査が2人の頂点にいる朴大統領の介入と指示を確認するため、山場を迎えているということを意味する。ブラックリストの真実究明は特検捜査の成否だけでなく、憲法裁判所の弾劾審判にも重要な変数になる。特検捜査の3つの方向のうち「賄賂授受」と「セウォル号7時間」による破壊力が相対的に弱まっており、特検としてもブラックリスト捜査に死活をかけるほかはない。
ブラックリストの実体は金元室長と趙前長官の拘束を通じて水面上に浮かび上がっている。「犯罪の事実が究明され、証拠隠滅の恐れがある」という裁判所の判断は、ブラックリストの作成過程に2人が介入ないし主導したことを認めたものだ。拘束令状によると、ブラックリストは2014年5月朴大統領の指示によって作成され、その後は金元室長と趙允旋当時政務首席のラインで管理されていたという。セウォル号事件に関連した文化芸術家の活動を抑制し、反政府世論を抑えるための目的であるとは、権威主義時代に逆戻りしたかのような局面だ。