【社説】朴大統領、権力の未練を捨てて決断を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.11.08 14:40
詩人の趙炳華(チョ・ビョンファ)はおそらく韓国で最も短いと思われる詩「天敵」でこのように書いた。「結局、天敵は自分だったのだ」。朴槿恵(パク・クネ)大統領は自分が犯して崔順実(チェ・スンシル)が背後にいた権力私有化事件とその後の国民の抵抗を見ながら、趙炳華の詩を胸に刻んでほしい。問題は崔順実ではなくて大統領自身だった。お金と権力と地位をすべて崔順実一家が蝕んだことより空しいのは、有権者の一票一票で集めた神聖な国家権力をあのように貪欲な民間人にまるごと渡したあきれる主権再委任行為だ。
崔順実に判断力を操られた大統領の精神構造は今もそれほど変わっていないようだ。朴大統領が最近、国の元老と宗教指導者に会っているが、この人たちが苦言をしても本人の判断力が作動しなければすべて無駄になる。自分の過去の習慣・態度・人脈を敵と戦うようにすべて取り除いてこそ、世の中の正しい言葉が耳に入ってくるようだ。
世間は声を一つにして朴大統領に要求している。与野3党に新首相を指名してほしいと要請し、「国会推薦の新首相候補」が登場すれば、本人は国政の一線から退くという宣言をしなければいけないということだ。これとともに大統領を壊すのに共犯だったセヌリ党の親朴指導部を引き下ろせということだ。こうすれば朴大統領は弾劾や下野、早期大統領選挙のような不確実性に陥らず、最小限の憲法的地位を維持できるはずだ。こうした選択はできるだけ憲法・議会システムで解決方法を探そうとする多くの人たちの努力に合う。