【社説】韓中のTHAAD対立、易地思之の知恵を発揮せねば(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.07.17 13:21
これだけではない。朴槿恵(パク・クネ)政権になり韓中は蜜月関係を謳歌してきた。自由貿易協定(FTA)が締結され、米国の反対にもかかわらず中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。昨年9月には朴大統領が習近平中国国家主席の対日戦勝記念日への招請を受け入れ日米の厳しい視線を受けながら天安門の城楼に上がった。韓国が中国に傾いたという中国傾斜論という言葉まで出てきたほどだった。
韓中が修交したのは92年夏だ。両国の政治指導者の決断が重要だったが修交を可能にした背景には83年の中国民航機の春川(チュンチョン)不時着の際に韓国が見せた誠意と、86年と88年にソウルで開かれたアジア大会とオリンピックに中国代表団が大挙参加するなど、10年近く積み重ねてきた信頼が土台になった。修交以降は2000年のニンニク波動、2004年の歴史解釈をめぐる対立、2010年の哨戒艦爆沈事件後の北朝鮮制裁をめぐる見解差など屈曲を経験してきたが、お互いを敵対視しないという「パートナー」の概念を中心に着実に両国関係を発展させてきた。これに比例して両国の国民の間でも「友人の国」という友好的感情が積み重ねられた。こうした長い間の友好関係がTHAAD配備決定により溝が生じたりひびが入るならばどちらにも役に立たないことであることは自明だ。
信頼の危機を乗り越えるため易地思之の知恵を発揮しなければならない時だ。まず中国はTHAAD配備が北朝鮮の核の脅威から韓国の国民を保護するための自衛的次元の安保手段であることを受け入れ大国らしい度量を見せることを期待する。相手が苦しい時に手を差し伸べてこそ真の友人といえないだろうか。