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【グローバルアイ】ネオコン根絶やしにするトランプ氏=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.24 09:21
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一時、米国の超強硬対外政策を主導して世界を牛耳っていたネオコン(新保守主義)が、ドナルド・トランプ氏のせいで存在の危機を迎えている。ジョージ・W・ブッシュ政権でイラク戦を断行して米国をどん底に陥れ退潮したネオコンだが、依然としてワシントンのシンクタンクや政界周辺ではネオコンが生きているという声だ。だがトランプ氏が勢いを得ると「トランプのせいで夜もおちおち寝られない」(マックス・ブート米国外交協会専任研究員)という嘆きまで出てきた。

トランプ氏を最も激しく拒否している勢力は、民主党のヒラリー・クリントン陣営ではなく共和党内のネオコンだ。トランプ氏の代わりに第3候補を作るか、いっそクリントン氏を選ぶとして反トランプ決死隊として出たのがネオコンだ。ワシントンの「ネオコン学長」と呼ばれる政治週刊誌『ウィークリースタンダード』のウィリアム・クリストル編集長は「トランプを大統領にすることはできない」としてミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事に会って第3候補の出馬を勧めた。彼はイラク戦に反対したチャック・ヘーゲル氏が2012年国防長官候補者に指名されると承認拒否運動を主導した人物だ。ブルッキングス研究所のロバート・ケーガン専任研究員は「唯一の選択はクリントン氏を選ぶこと」としながら「(この場合)党は救われないが、この国は生きられる」と主張した。ロバート・ケーガン研究員は歴史学者である父ドナルド・ケーガン氏から代を引き継いだネオコンだ。ウィリアム・クリストル編集長もやはりネオコンの創始者と言われるアーヴィング・クリストル氏が父親だ。イラク戦を支持した元国務省顧問であるエリオット・コーエン財務次官(テロ・金融犯罪担当)は「トランプ氏は私の生前で最も危険な扇動家」として「第3候補を望んでいるが代案がなければクリントン氏」と明らかにした。

 
ネオコンがトランプ氏を嫌悪する理由は、クリントン氏よりもトランプ氏がネオコンの対称点に立っているためだ。トランプ氏はネオコンが信条とする米国の軍事的介入主義を拒否している。イラク戦を「最悪の決定」と非難したトランプ氏をネオコンが受け入れることは皆無だ。トランプ氏は、ネオコンが悪党と言っているロシアのプーチン大統領に対し格別に好感を表示している。ロシアのシリア介入をめぐっても米国があえて妨げる理由はないということだ。ネオコンが神聖不可侵の領域とみなす親イスラエル政策についてもトランプ氏は「(パレスチナとの)中立的調停者になる」と話して彼らを驚かせた。

だがトランプ氏が次第に党を掌握し、ネオコンは孤立している。ネオコンと心情的につながっていたタカ派のジョン・マケイン上院議員はトランプ支持を明らかにし、やはりタカ派であるリンジー・グレアム上院議員もトランプと電話をした後「ユーモア感覚を持つトランプ」として以前の強硬非難からぐっと退いた。政治日刊紙『ポリティコ』は先週「ネオコンが主軸となった『ネバートランプ』運動が『孤立した島』になっている」と伝えた。

「悪の枢軸」を持ち出して韓半島(朝鮮半島)にまで一波万波を及ぼしていたネオコン。そのネオコンの最大の脅威が、民主党でもない共和党大統領候補から出てきているのは歴史の皮肉に違いない。

チェ・ビョンゴン ワシントン特派員

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