慰安婦おばあさん、セウォル号の記憶…物語の森を作る韓国のベンチャー

慰安婦おばあさん、セウォル号の記憶…物語の森を作る韓国のベンチャー

2016年04月28日09時23分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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「ツリープラネット」のキム・ヒョンス代表は「写真・映像で残した記憶はいつか消えるが、森に込めた物語は数百、数千年続いていく」と話した。
  故郷の両親が交通事故で突然亡くなった。ずっと前に両親の元を離れて他の国に住んでいる娘は両親に対する愛と懐かしさを込めた「森」を作りたいと「ツリープラネット」に連絡をしてきた。「家族のほとんどが釜山(プサン)に住んでいるそうです。両親のことを思い出したらすぐに立ち寄れるような場所に、小さな家族の森をつくることにしました」。ツリープラネットのキム・ヒョンス代表(29)は現在、慶州(キョンジュ)放廃場(放射性廃棄物処理場)に造成中の「国民の森」に思いを馳せた。この森の一角に、依頼人の両親が好きだったという花と木を植え、家族の名前を刻んだ小さなベンチを置くことにした。

  ツリープラネットは森を企画してコンサルティングを行うソーシャルベンチャー企業だ。意味のある森を作りたい者に適切な敷地と木を推薦し、造景会社と協力して森を造成・管理する。2010年ツリープラネットという名前の携帯電話ゲームアプリでスタートした。利用者がゲーム内でモンスターを打ち破って小さな木をひと株を救出すると、企業から受け取った広告費で実際の木ひと株を植えるキャンペーンだった。2012年からはスターのファンクラブの寄付を受けて「SHINHWA(神話)の森」「少女時代の森」などを作った。クラウドファンディングで進めた旧日本軍慰安婦被害者のための「少女を記憶する森」、今月初め完工式を行った珍島(チンド)・彭木(ペンモク)港近くにある「セウォル号 記憶の森」まで、これまで12カ国に120カ所余りの森を作り50万株を越える木を植えた。

  子供のころから環境問題に関心が高かったキム代表は高校時代に「樹木葬」を扱ったドキュメンタリー映画を撮りながら森の良さに開眼した。「環境問題が重要だということはみんな知っていますが、個人ができることは限られているでしょう。国が判断してやってくれるものと思っていた森の造成に個人が参加できる方法がないだろうかあれこれ考えました」。

  森のための土地は政府や地方自治体と協約を結んで無償で提供される。森の造成敷地に指定されているが、予算問題で空き地のままになっている場所が全国には意外に多い。木の代金は森を作りたい個人や団体が出す。木の種類によって1株あたり数万ウォンから数十万ウォンまでさまざまだ。「政府は予算を節約でき、個人は特別な意味がある森を持てる場合があるので互双方に良いですよね」。共同体が一緒に森を享有でき、全地球的な環境問題にも役立つため、まさに「1石4鳥」だ。

  ツリープラネットが作った森にはそれぞれの物語が込められる。「少女を記憶する森」は慰安婦被害者の子供のころの故郷の家の庭をテーマにして作られた。蝶々が遊びに来やすいような花を選んで植え、広々とした縁台を置いた。「セウォル号 記憶の森」には秋になれば黄色い「リボン」の葉がつくイチョウ300株を植えた。黄砂や粒子状物質問題の解決のために企業と提携して中国とモンゴルにも森を造成している。「個人や家族、共同体の歴史を記録するという気持ちで森を作っています。記憶と治癒の効果を持つ森は、現在の自分たちだけでなく、子孫にも最高のプレゼントになると考えています」。
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