<囲碁:人間vs人工知能>李世ドル「必ず勝ちたかったが、3連敗した時より今日のほうが辛かった」

<囲碁:人間vs人工知能>李世ドル「必ず勝ちたかったが、3連敗した時より今日のほうが辛かった」

2016年03月16日11時02分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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李世ドル(イ・セドル)九段が15日午後、ソウル光化門(クァンファムン)のフォーシーズンスホテルで開かれたアルファ碁との最後の対局に先立ち、娘のヘリムさんと控室で遊びながら緊張をほぐしていた。(写真=グーグル)
  15日、1週間余りの大長征を終えた李世ドル(イ・セドル)九段は虚しい表情だった。この日ソウル光化門(クァンファムン)のフォーシーズンスホテルで開かれた最終局で彼は、280手の末に中押し負けし1対4でアルファ碁に最終勝利の席を譲った。閉会式などの行事を終えて兄のイ・サンフン九段らと酒の席を囲んでいた彼に単独で会った。酒の席は午後8時から12時まで続いた。

  李九段は4時間中ずっと「第5局に負けて恥ずかしい。囲碁で飯を食っている、囲碁が仕事である人間が、人間的感情を徹底的に排除して碁を打たなければならなかったのに、それができなかった」として自ら叱責していた。「ほかの人々は私を人間的だというが、それは冷静な勝負の世界では話にならない声であり、人間的であることがかえって弱点」とも語った。

  また「私が私を超えななければいけないのにそれができなかった。だが、それは私の限界であって人間の限界だとは思わない」と言った。彼は対局直後、周辺の親しい人に「勝ちたかったが辛すぎる。3連敗よりも辛い」と話して遺憾を表わした。「閉会式に行きたくなかった」と吐露した。

  李九段は「第3局までは情報も足りずまともに戦える状況ではなかった。第4局で勝ち、ただひたすら真剣勝負がしたくて第5局のために一番多く準備したのに残念だ」と口を開いた。この日の対局内容については「上辺を削る時に中央に行くべきだったのに深々と肩をついたために欲張ったし、対局内容が私の望む方向に流れなかった」と残念がった。

  「人々が私を人間的英雄として接してくれるのは感謝しているがプロとしては非常に恥ずかしい。相手が機械だという点を意識して感情的に揺らいだ部分があり、必ず勝ちたいという思いに欲が出た」と話した。

  アルファ碁の実力については「アルファ碁がうまく置いたのはその通りだが、囲碁の神というほどではない。私ではなく若いプロ棋士の朴廷桓(パク・ジョンファン)氏が置いていたら十分に勝てただろう」と話した。「碁を打ってみると人工知能は実質的にまだ人間の領域がついて来られない部分が多かった。ところが私の勝とうとする気持ちに欲が出て、まともに冷静に勝負を展開できなかった。人間の能力の最大値を見せられなかった。それは私の限界、李世ドルの限界だ」と語った。

  彼はまた「今まで人生最大の対局は(中国の)古力九段との10回戦だったが、彼には申し訳ない話だが今回の対局、特に第5局が人生で最も忘れられない対局になった」とした。インタビューをしながらも彼はずっと携帯電話の棋譜アプリで第5局の棋譜を見ながら復碁をし、惜しい点を兄に尋ねていた。

  第5局で黒を選んだ(先手を取った)理由についても詳しく説明した。第4局が終わった後、グーグルのディープマインドのデミス・ハサビスCEOとのティータイムで「アルファ碁が白をとって置く時の勝率が52%だと言うので私は48%の勝率である黒番で挑戦したかった」と話した。「十分に勝つだけのことはあると考えたし心機一転して挑戦したが、負けて残念だ」とした。

  対局中に復碁できず苦しくなかったかと尋ねると「私の手に私が納得することが重要なことで、相手がどんな意図で置いたのかは重要ではない。私がとった手について改善策を探すことが重要だ」と語った。

  家族に対しては「ヘリムと妻に申し訳ない。久しぶりに会ったが気を遣うことができなかった。感情が揺らぐかと思ってヘリムともまともに遊べなかった」とした。

  また李九段は「プロ棋士として再びこんな対局はしたくない。人間的にあまりにも荷が重かった」と、これまで公開的に話さなかった苦しみも訴えた。だが「私がすることにしたのだから、耐えられた。4対1で負けて恥ずかしくなる。弁解の余地がない。それが私の限界」と淡々と吐露した。
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