【時論】歴史教科書は多様な視角表わすべき=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.09.14 11:45
国定制は国史教育の国家独占化をもたらしてきた。国定化が狙っているのは否定的な歴史認識を変えるという大義名分によって結局は韓国の近現代史の主体を、独立運動・民主化運動勢力から親日派と独裁政権勢力に交換しようとする試みではないかという疑念がわく。これは「大韓民国は3・1独立運動で建設された大韓民国臨時政府の法の正統と不正に抵抗した4・19民主理念を継承し、祖国の民主的改革と平和的統一の使命」を強調する憲法にも背馳する。そうでなくても国史教科書の執筆指針で近現代史と独立運動史の縮小の意図がふくらみ、民主化運動の強調はダブー視されながら左偏向に追い込まれている。検定制のもとでも独立運動と民主化運動の強調が左偏向・自虐史観に集まっているのに、国定制になる場合、憲法精神に沿って独立運動と民主化運動、平和統一の歴史がまともに記述されることができるだろうか。
全国の中高等学校の歴史教員2255人が国史教科書の国定化に反対する声明を出し、さらに多数の教員が反対している。最近では大学教授および関連学会、独立運動団体や市民団体、保護者や市道教育長なども加勢している。国定化が国力の減少をもたらすことは明らかだが、国民とのこうした葛藤が望ましいのだろうか。国定化が自律性と多様性、創意性を尊重する民主主義の教育理念と相反するため、憲法裁判所もかつて国定化が学生たちの思考力を画一化・定形化させると懸念した。専門家たちは現行の検定制教科書も過度に統一されていると批判的なのに、国定化まで試みるということなのか。