【コラム】賃金も不公平で雇用も不公平だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.09 11:01
不平等は市場経済の歴史が長い国では所得の差よりも富、すなわち財産の差のためだ。しかし長い間に累積されてきた財産の不平等を短期間には解消できないので不平等解消のための政策は所得不平等に焦点を合わせている。熱心に働けば財産の多い富豪にはなれなくても最小限の人間的な人生を享受できる賃金を得られるのが先進国だ。ところが韓国と先進国の間には不平等の原因と解消案に差がある。韓国は熱心に働いても財産が「なくて」ではなく賃金を「得られないので」不平等を抜け出すことはできない構造だ。一般的に所得不平等の原因を財産不平等と考えやすいが韓国はそうではない。
韓国も他の先進国と同じように財産所得が賃金所得よりはるかに不公平だ。しかし国税庁の個人所得総額集計で配当・利子など財産所得は8%未満で、残りの92%以上は賃金所得だ。賃金所得の割合が圧倒的に高いだけでなく賃金が極めて不公平に分配されるので不平等の主要原因は賃金不平等だ。韓国は貧富差、すなわち「持てる者」と「持たざる者」の差も問題だが、それよりもっと深刻な問題は働いただけ「得られる者」と「得られない者」の差だ。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に賃金所得不平等が激しい国であると同時に雇用不安定も1位を占めている。賃金不平等と雇用不平等が踏んだり蹴ったりで絡み合っているため状況が深刻だ。