【社説】非科学的な過剰対応が消えてこそMERSに勝つ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.12 16:56
韓国の中東呼吸器症候群(MERS)拡散実態を把握するため訪韓中の世界保健機関(WHO)合同評価団が休校措置の解除を勧告したのは、韓国社会がどれほど非科学的な不安に巻き込まれやすいかを如実に見せている。評価団は10日、韓国政府に対する勧告文で、「韓国や他の地域で学校はMERS伝染に関連していないため、授業の再開を考慮することを願う」と明らかにした。他の国でも学校はMERSウイルスの伝播と関係がなかったというのが、WHO調査団が明らかにした医学的・科学的な根拠だ。
7日に京畿道(キョンギド)教育庁とソウル市教育庁が休校を決める時も、保健福祉部は医学的に正しくないうえ、不必要な不安感を刺激するおそれがあるとし、否定的な立場を見せた。しかし教育部はMERS拡散防止のためだとし、学校長の自律で学校・幼稚園が休めるようにした。休校がMERS拡散を防止できるという医学的・科学的根拠は提示しなかった。このため漠然とした不安感だけで休校を決めたのではないかという疑問を抱く人が少なくない。
さらにソウル市のチョ・ヒヨン教育監は7日、江南(カンナム)・瑞草(ソチョ)区の幼稚園と小学校に一括休校命令を出したのに続き、WHOの授業再開勧告があった10日、一括休校措置を12日まで延長した。このほか、江東(カンドン)・松坡(ソンパ)・江西(カンソ)・陽川(ヤンチョン)区の学校にも休校を強く勧告した。当局は不安を感じる保護者が休校を要請する状況だとし、生徒の生命と安全を保護するための先制措置として休校を決めたと説明している。