『韓日交流２０００年、新たな未来に向かって』

チョン・グジョン著、

出版：ナ・ナム、６６５ページ

価格：３万２０００ウォン

◆陶工・沈当吉とその末裔

日本の陶芸の歴史には、韓半島の影響が濃厚に垂れ込めている。壬辰倭乱当時に連行された朝鮮陶工の末裔が今もその伝統を受け継いでいるためだ。日本の鹿児島地方で続く陶磁器の薩摩窯の宗家・沈寿官家は、１５９８年の丁酉の再乱（慶長の乱）の際に全羅北道南原（チョルラブクト・ナムォン）から薩摩に連行されて行った初代・沈当吉の子孫が営んでいる。朝鮮陶工たちは庶民が主に使う器を作って生計を立てていたが、その芸術性が高く評価されて日本全体に知られることになる。沈寿官家を率いる第１５代目は『韓日交流２０００年、新しい未来に向かって』に載ったインタビューで「朝鮮の陶芸技術が日本で根をおろすことができたのは、朝鮮の技術と人々を正当に評価し理解してくれた友人がいたからこそ可能だった」として「韓国と日本のコラボレーション精神」を説く。

日本の白磁の最高峰と言われる九州の有田もやはり朝鮮陶工である李参平に根源をもつ。４００年間続いてきた有田焼は現在１４代李参平が継いでいる。彼は「朝鮮人が有田に来たおかげで私たちが生まれることができたのであり、何とかして韓日間の架け橋の役割を果たしたい」という希望を明らかにした。韓日協定５０周年を迎えて言論人出身の著者が出版したこの本には、そのほかにも着実に両国間の交流を導いている日本の文化界・学界の要人２３人とのインタビューが入っている。


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