【時視各角】AIIBに込められた習近平の夢(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.03.19 09:33
国家指導者の夢は往々にしてその国の夢になる。習近平中国国家主席の足取りを見れば中国の夢を読むことができる。昨年7月15日に習近平はブラジルのフォルタレザにいた。そこで彼は1枚の写真を撮った。ロシア、インド、南アフリカ、ブラジル、BRICsの残り4カ国首脳と一緒だった。他の首脳たちの表情も明るかったが習近平は特に明るかった。それもそのはずで、習近平はこの日残りの首脳らと中国主導の新開発銀行(NDB)設立に合意した。
NDBの目標は開発途上国のインフラ建設支援だが、それがすべてではない。NDBは米国の金融覇権に投げつける習近平の挑戦状だ。米国は1944年にニューハンプシャー州ブレトンウッズのホテルで基軸通貨国と認められたが、この時に作られたのが世界銀行と国際通貨基金(IMF)だ。世界銀行とIMFはその後米国の2大神器と呼ばれ米国の金融覇権の象徴になった。習近平はこの日、そんな米国の象徴に正面からぶつかったのだ。前後70年間だれもどの国も到底できなかったことだ。習近平の挑戦が成功するならばこの日のこの写真は中国の金融覇権が始まったことを知らせる歴史的場面として記録されるだろう。
その写真を撮る10日前、習近平の足はソウルにとどまっていた。昨年7月3日に習近平は韓国にアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入を要請した。2カ月前の5月に朴槿恵(パク・クネ)大統領を表敬訪問した王毅外相を通じ、共同宣言文に「韓国のAIIB参加」という内容を盛り込もうとあらかじめ提案しておいたものだ。だが、韓国政府は最初から議題から除いた。米国の反対のためだった。