【社説】公共外交の重要性気付かせた“リッパート現象”

【社説】公共外交の重要性気付かせた“リッパート現象”

2015年03月08日13時05分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  まさに“リッパート現象”といえよう。5日に世宗(セジョン)文化会館でキム・ギジョンに襲撃されたマーク・リッパート駐韓米国大使(42)が“アイドル級”の人気を集めている。彼の早い快癒を祈るメッセージがあふれている。1949年にジョン・ムチオ初代米国大使が赴任してからこれまで20人余りがその職を受け継いだがこうした現象は初めてだ。

  われわれは彼の「公共外交」に注目する。公共外交はソフトパワー資産を活用し外国の国民と直接コミュニケーションし、共感し、理解と信頼を高めることをいう。「ギブ・アンド・テイク」の冷たい原理に立った従来の政府間外交とは異なるアプローチ法だ。リッパート大使は公共外交が何なのかを全身で見せた。

  彼が昨年10月に41歳と過去最年少で駐韓米国大使として赴任した時には一部で否定的な世論があった。オバマ大統領の側近だが、経験や経歴が浅くないかとの見方があった。だが、リッパート大使は5カ月余りこのような懸念を払拭してきた。会合に入場する時は主宰側が配慮した“善意の割込み”を拒み、他の人たちと一緒に列に並んだ。ソウルの大使公邸から世宗路(セジョンロ)の大使館まで歩いて出勤する時は路上で会う人たちと親しくあいさつを交わした。ツイッターとブログには韓国で暮す楽しさを率直に書き込んだ。ソウルで生まれた長男のミドルネームは「セジュン」にした。これまでのこうした行動と態度により最年少のリッパート大使に対する警戒感や距離を置く姿勢は武装解除された。80針を超えて縫う大手術を受けた後も「大丈夫です。一緒に行きましょう」と話した彼の懐の広さは「人間リッパート」の魅力を漂わせるのに十分だった。

  彼のスキンシップ公共外交は期待以上の効果を生んでいる。襲撃事件以降にメディアで騒がしく提起された韓米同盟弱体化の懸念は影も形もなくなり、むしろ両国関係は彼のクールな魅力によりさらに厚くなりつつある。リッパート大使は一躍韓米同盟の“スーパースター”に浮上した。2002年に米軍の装甲車による女子中学生死亡事故と2008年のろうそくデモの時には反米感情が極に達したりもした。いまのリッパート効果はそれとは正反対の流れだ。それだけ公共外交の効果は大きい。

  韓国政府も2010年に外交部内に公共外交大使を任命して公共外交政策課と公共外交センターを新設した。公共外交の重要性に目を開いたが、まだ足踏み段階だ。外交官らの直接的な公共外交活動よりは韓流を前面に出し一方的な広報に偏っているのが現実だ。

  公共外交の需要はますます大きくなっている。これに対応するには多くの研究と緻密な戦略が必要だ。特にリッパート大使のように体で公共外交を示そうとする韓国の外交官の実践が重要だ。これがリッパート大使襲撃事件が与えるもうひとつの教訓だ。(中央SUNDAY第417号)
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