【コラム】ノーベル賞に冷静でなければならない理由=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.10.13 13:46
ノーベル賞発表の季節を迎え、人々は息を殺して結果を待ち拍手の準備をしている。「選びぬかれた“星”」の国は民族的な祭りとなる。毎年秋になると、地球村のスター誕生のイベントが繰り広げられるスウェーデンとノルウェーに世の中の耳目が集中する理由だ。
ノーベル賞受賞は常に慶事というわけではない。中国は最近、何度も困惑すべき状況に置かれた。2000年ノーベル文学賞は中国作家の高行健氏に与えられた。1987年にフランスに亡命した反体制指向の作家だった。中国としては喜べない受賞の便りだった。
筆者は当時北京外国語大に在職していたが、高行健氏はこの大学のフランス語科出身だ。できるなら胸像でもつくって同窓のノーベル賞を祝わなければならないはずなのに、校内で高行健氏は沈黙と回避の対象だった。好奇心でこの作家の代表作『霊山』を読んでみた。立派な小説だが、率直にノーベル賞受賞に値するものかは分かりかねた。文学賞の選定でも西欧政治の影響を感じた。