言論の自由で包装された前産経ソウル支局長の詭弁

言論の自由で包装された前産経ソウル支局長の詭弁

2014年10月11日11時16分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  産経新聞は10日付の1面に、韓国の検察が名誉毀損容疑で在宅起訴した加藤達也前ソウル支局長(48)が書いた長文の「手記」を載せた。彼は冒頭で「9日のソウルはさわやかな秋晴れとなった。私の今の心のようだと思った」とし、「朴政権の最大の問題である“言論の自由への狭量さ”を身をもって読者に伝えることができる機会と考えてきたからだ」と書いた。しかしいくら狭量さを認めるにしても、彼の手記にはうなずきにくかった。

  彼は「10月2日の3回目の取り調べで、検事は『(セウォル号事故当日の)大統領の所在問題が(韓国内で)タブー視されているのに、それを書いたことをどう考えるか』と聞いてきた。私はこの言葉に強い違和感を覚えた。日本では毎日、詳細に公開されている国家指導者の動静が“タブー”だというのだ。禁忌に触れた者は絶対に許さないという政権の意思を如実に示す発言だった」とした。

  加藤前支局長は巧妙に括弧を利用し、あたかも韓国では大統領のセウォル号当日の行跡を論じることがタブーであるかのように誤導した。韓国指導者の動静は細かく公開されない。365日間そうだ。韓国だけではない。米国・英国なども詳細に一般に日程を公開しない。「日本と違う」という理由で「政権の意思」云々するのは話にならない。

  また、彼は「韓国大統領府(青瓦台)で海外メディアを担当する報道官が8月5日の夕方に電話をし、『確認もせずに掲載した』とも言い放ったが、そもそも青瓦台は7月、ソウル支局の名村隆寛編集委員が書いた次期駐日大使の内定人事を伝える記事に対して、『解禁指定日時を破った』として産経新聞に1年間の出入り禁止(取材拒否)を通告していた」と書いた。立入り禁止状態だから事実確認ができなかったという主張だ。そのような「個人の事情」が正当化されるのかは二の次として、記事の関連発言は青瓦台だけでなく、すでに国会にすべて公開されていた。加藤前支局長は「訴訟を乱発する朴政権に、韓国国内では既に萎縮、迎合しているかのような報道もみられる。朴政権はいったいいつまで、メディアへの弾圧的な姿勢を続けるのだろうか」と主張した。

  韓国ほど自由に政権を批判する国も珍しいというのは、多くの日本の記者も認める部分だ。加藤前支局長も特派員在任3年間、きちんと韓国の新聞を読んでいたのなら分かるはずだ。紙面に政権批判記事がないのはむしろ安倍政権下での産経だ。

  にもかかわらず、韓国検察の起訴決定は間違っているというのが個人的な考えだ。いくら記事に問題があるとしてもグローバルな視点で判断するべきだった。しかし産経は明らかに度が過ぎた。言論の自由は公正報道の責任を果たす時に与えられるものだ。

  たとえ誹謗する意図がなかったとしても、記事の内容が「事実」でないことが明らかになった。なら「遺憾」の一言でも表明するのが正しい。しかし産経新聞のどこを見ても「謝罪」や「遺憾」は見られない。「詭弁」ばかり繰り返されるだけだ。
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