【噴水台】ユーロ貨の橋

【噴水台】ユーロ貨の橋

2001年08月26日21時29分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「企業家の共通の趣味は何だろう。答えは貨幣収集」。

  これは、企業家は利益を出すのがつとめだということを遠回しに言った冗談だ。

  貨幣、特に紙幣の図案は切手のそれと同じく、各国の歴史認識と文化認識を示すものだ。紙幣には決まってその国を代表する文化遺産や偉人の顔が入る。

  フランスのフランには作家、サン・テグジュペリの肖像が入ったものがあるが、文人を尊重する風潮を表わすと分析する人が多い。ドイツのマルクには作家グリム兄弟、音楽家シューマンのほか、数学者ガウスの顔が入っている。

  米国のドルには建国の父、ジョージ・ワシントンの顔がある。立憲君主制の英国と、その女王を形式的な君主としているカナダなどの紙幣には、エリザベス2世女王の肖像が描かれている。

  エジプトの1ポンド紙幣には、古代ファラオだったラムセス2世の肖像とアブシンベル神殿が入っており、歴史に対するプライドを見せてくれる。

  中国の人民札には毛沢東、朱徳、劉小奇、鄧小平が一緒に入っているものがある。

  文化革命の責任者である毛沢東と、その犠牲者である劉小奇、改革・開放を主導した鄧小平を一緒に入れたのは、中国流の歴史和解に向けた試みと見ることができる。

  日本の1万円札には19世紀末、韓国を征伐するよう主張した福沢諭吉の肖像が入っている。日本では開化思想家として知られているが、韓国の立場からするとけしからん人物だ。このように貨幣は、各国固有のアイデンティティを鮮明に反映するものだ。

  今後欧州連合(EU)10カ国余りが共同で使用するユーロには、連結を象徴する橋が入る。

  特定国家の人物や文化財を入れるのは、統合精神にもとるだけでなく、互いに自国の立場を主張し、争いとなる可能性が高いためにとられた苦肉の策だ。

  各国の競争心理を抑えるため、ありもしない橋の図案を創作して入れることにしたものの、案が提示される度に実際の橋に似ているとの指摘が絶えないという。

  アーチ型の石橋はイタリア・ベニスのレアルト橋、二重石橋はフランス、スペイン、イタリアに残っている古代ローマの橋がそれぞれ連想されるというわけだ。

  最近朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)訪問団による「万景台(マンギョンデ)波紋」で、国中が騒がしい。統一政策に対する大韓民国のアイデンティティが欠けているうえ、一部が性急な行動をとったために生じた事故ではないだろうか。

  民族の念願である統一への道に橋が必要だとすれば、時間がかかるとしても丈夫な石橋を作るべきだ。
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