ソチ五輪の成績不振で退いた韓国ショートトラック界の実力者

ソチ五輪の成績不振で退いた韓国ショートトラック界の実力者

2014年03月18日16時39分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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チョン・ミョンギュ韓国体育大教授
  ビクトール・アン(29、韓国名アン・ヒョンス)が17日(日本時間)、カナダ・モントリオールで閉幕したショートトラック世界選手権大会で総合優勝した。1000メートルの1位に続き、3000メートルスーパーファイナルで3位に入り、2007年以来7年ぶりに世界選手権チャンピオンとなった。世界選手権個人総合6回優勝(2003-2007、014年)は男子ショートトラックの最多記録。先月ソチオリンピック(五輪)で3冠王となったビクトール・アンはロシアで英雄視されている。

  同じ日、チョン・ミョンギュ韓国体育大教授(52)は大韓スケート競技連盟副会長から退いた。連盟は17日に記者懇談会を開き、「チョン・ミョンギュ副会長がソチ五輪の成績不振の責任を取り辞任した」と明らかにした。連盟の実力者と呼ばれたチョン教授はソチ五輪中、ファンから非難を浴び続けた。男子代表がノーメダルに終わった半面、ビクトール・アンは華麗に復活したからだ。さらにビクトール・アンの父アン・ギウォンさんが「チョン教授が絶対権力を振りかざしている。チョン教授に嫌われたヒョンスはロシア帰化を選択するしかなかった」と述べ、波紋が広がった。ついに朴槿恵(パク・クネ)大統領が「アン・ヒョンス選手の問題は体育界の底辺に根ざす不条理と構造的な乱脈のためではないか省みる必要がある」と述べた。

  チョン教授とアン・ヒョンスは親子のような関係だった。2002年1月、当時ショートトラック代表チームの監督だったチョン教授は、満17歳だったアン・ヒョンスを選抜戦を通さず代表チームに合流させた。アン・ヒョンスはその年、ソルトレークシティー五輪でメダルを獲得できなかったが、確実な軌道に乗って韓国ショートトラックのエースに成長した。当時、男子代表チームの選手らは「アン・ヒョンスの脇役にはなりたくない」と話していた。アン・ヒョンスは2006トリノ五輪を控えて女子選手と練習した。その一方で五輪3冠王となった。

  チョン教授は“ショートトラック界の実力者”となった。チョン教授は確実なエースを決め、残りの選手がエースを助けるシステムを考案した。個人種目のショートトラックを団体種目のように運営したのだ。チョン教授は選手発掘能力と多様な戦略開発で卓越した成果を見せた。国内外の人的ネットワークまで形成し、スケート界の第1人者として君臨した。

  これまで冬季五輪で韓国が獲得した26個の金メダルのうち21個がショートトラックで出ている。そのほとんどがチョン教授の弟子の成果だ。特にアン・ヒョンスをかわいがった。しかしエースが優勝を独占する方法は必然的に派閥を招いた。チョン教授が率いる韓国体育大グループと非韓国体育大グループに分かれた。2010年ショートトラックの弊害が世間に表れた“八百長”事件は派閥争いが発端だった。選手間の暴力事件もあった。

  師弟関係にあつれきが生じたのは2007年前後からだ。チョン教授の反対にもかかわらずアン・ヒョンスが城南市庁に入団した後、代表選抜戦などで不利益を受けたというのが父アン・ギウォンさんの主張だ。ひざのけがから完全に回復していなかったアン・ヒョンスは2010バンクーバー五輪代表チームから脱落した。さらに城南市庁のショートトラックチームが解体し、アン・ヒョンスはロシアに帰化した。国内ショートトラック界に足を踏み入れられなくしたというのもアン・ギウォンさんの話だ。当時、スケート界は出身学校ではなく、チョン教授の絶対権力の下にあったということだ。派閥争いの受恵者のアン・ヒョンスが被害者のビクトール・アンに変わった。

  男子代表チームはソチ五輪で12年ぶりノーメダルに終わった。エース依存度が高い韓国ショートトラックの限界が表れ、チョン教授には非難が殺到した。今回の世界選手権でもパク・セヨン(21、檀国大)が1000メートルで3位、総合5位になったのが最高の成績だった。女子代表のシム・ソクヒ(17、セファ女子高)が総合優勝、パク・スンヒ(22、華城市庁)が総合2位になったのとは対照的だ。女子代表はソチ五輪で金2・銀1・銅2のメダルを獲得した。

  スケート連盟がスケート発展委員会の発足を知らせたが、10年以上も続いた葛藤を解消できるかどうかは未知数だ。チョン教授を犠牲にして退かせたのではないか、内部の人を中心に構成された発展委員会が改革できるのかなど、懸念の視線は相変わらずだ。
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