テーマは“チャンポン”だ。韓国でもよく知られる「長崎チャンポン」は、この地域の中国移民者が安い海産物をたくさん入れて作った中国式のスタミナ食。日本最初の開港地として東洋と西洋の文化が混ざり合った長崎県の特性をよく表す言葉でもある。柿本敏晶・長崎県観光政策課長は「遺跡では京都や大阪に、繁華街では東京にかなわず、長崎県だけが持つ長所に力を注ぐことにした」と述べた。

中世オランダの街を再現したテーマパークのハウステンボス（佐世保市）や最初にキリスト教が伝播した地域にふさわしく、あちこちにある聖堂・教会などキリスト教遺跡を代表的な観光商品とした。最近はランタンフェスティバルを県予算で積極的に支援し、昨年済州から輸入したオルレまでオープンし、本格的な観光資源輸入時代を開いた。長崎県の代表的な食べ物もほとんどが輸入品だ。中国から入ったチャンポンのほか、長崎カステラ、黒カレーなどだ。

観光資源輸入戦略はターゲットを「リピーター（Ｒｅｐｅａｔｅｒ）」に合わせたため可能だったと、柿本課長は説明する。リピーターとは何度も訪れる客をいう日本式の英語。柿本課長は「初めて日本に来る観光客が長崎県を最初の訪問地に設定する可能性はほとんどない。次に日本を訪問する時に長崎を考えさせるには、東京や京都・大阪など有名観光地の“日本らしさ”とは重ならないテーマを見つけるべきだと考えた」と話した。こうした戦略は円安と重なり、昨年長崎を訪れた外国人観光客は２０１２年（約６６万人）に比べ２０％ほど増えたと推定されている。

イ・ジェゴン京畿大観光経営学科教授は「地域の景観、伝統文化にだけ焦点を合わせるのではなく、海外の文化を活用するのも観光差別化のポイントになる」とし「国内でも済州テディベア博物館など、さまざまな観光資源の輸入を期待したい」と述べた。　（中央ＳＵＮＤＡＹ第３６１号）




観光資源も輸入する長崎の「チャンポン戦略」（１）