【コラム】壬辰倭乱も知らない米国の韓国通

【コラム】壬辰倭乱も知らない米国の韓国通

2013年12月04日18時32分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  2008年の米大統領選挙でオバマ大統領と争った共和党の大物マケイン上院議員が訪韓したのは今年8月。報道されなかったが、マケインは当時、国内の政界の重鎮を呼んで厳しく語った。「ベトナム戦争で捕虜となり拷問を受けた私も米国・ベトナムの和解に率先しているのに、あなたたちはなぜ日本と仲良くしないのか」という要旨だった。過去の歴史・領土問題をめぐり執拗に日本の謝罪を要求する韓国側の態度に不満を吐露したのだ。

  マケイン自身がそう話すのも分からないわけではない。海軍パイロットだったマケインは1967年、ハノイ爆撃に出て撃墜され、北ベトナムの捕虜となった。両腕が折れ、脚には銃弾を受けた。捕虜収容所で彼を待っていたのはひどい殴打と拷問だった。どれほど暴行を受けたのか、髪は白くなり、体重も20キロ以上減った。その後遺症でマケインは永遠に足を引きずり、腕もあまり上がらない。それでも彼の発言は、一つだけを知り二つは知らない主張だ。

  韓国が日本を簡単に許せないのは恥辱を受けたと考えるからだ。マケインは苦難を経験したが、恥辱ではなかった。恥辱どころか生涯の自慢であろう。米国が東アジア戦略レベルで韓日間を仲裁する時、両国の歴史と感情を十分に考慮しているのか疑わしいことが多い。

  ほとんどすべての韓国人の場合、日本に対する認識は1592年の壬辰倭乱(文禄の役)から始まる。不幸にもその記憶は恥辱の歴史だった。その中で犠牲になった痛ましい民衆の話と朝鮮人2万人の鼻と耳を埋めたという京都の耳塚の話を聞いたときは、血が逆流する思いをした。さらに日帝強占期の虐政が加われば、決して許すことができない過去となる。

  一方、米国の歴史は1620年に移民者を乗せたメイフラワー号が米東部に到達する時、本格的に始まる。1776年の独立宣言から237年、メイフラワー号の到着から見ても400年にならない歴史を持つ米国人としては、壬辰倭乱の記憶を忘れないというのが理解しがたいのかもしれない。

  また、苦い歴史は簡単に忘れるのが米国人の習性だ。『米国の嘘(Lies Across America)』というベストセラーで有名な米歴史学者ジェームズ・ローウェンはこういう結論を出した。「米国人はよいことばかり記憶することを好む」と。数千万人のインディアン虐殺の歴史が忘れられたのもこのためだ。

  もちろん米国人に壬辰倭乱まで熟知することを期待するのは無理かもしれない。韓国人もスウェーデンとノルウェーが、ギリシャとトルコがなぜ敵同士かを知る人は少ない。スウェーデンはナチがノルウェーを侵攻しようとすると、いかなる抵抗もなく道を明け渡した。ギリシャは400年間、トルコの支配を受け、ようやく独立した後にも、キプロスをめぐり領土紛争を繰り広げた。

  残念なのは、米国の主流社会が古い過去でない、今の韓国もよく理解していないという事実だ。これは米国内の韓国専門家の不在に理由を探すことができる。米国にいる韓国通という人たちは正確にいうとほとんどが北朝鮮通だ。韓国の歴史と伝統より、北朝鮮の核兵器がいくつあるかに大きな関心がある人たちだ。

  代表的な韓国専門家とされる米外交委員会研究員スコット・スナイダーにこの問題を話すと、こうした言葉が返ってきた。「韓国社会に対する分析に比べ、北朝鮮関連文のクリック数が2倍以上多い米国の世相のため」と。

  米国が日本の集団的自衛権を支持するのは、韓国の感情を完全に理解できていない側面が強い。なぜ韓国人は日本軍と聞けば身震いするのかという。ワシントンの自称韓国通のうち壬辰倭乱をきちんと知っている人は果たして何人いるだろうか。この問題を解決するうえで特に近道はない。着実に国家広報を続けるとともに、国家的・社会的に韓国人専門家を育てなければならない。

  マケインに続きバイデン米副大統領が5、6日ごろ訪韓し、韓日関係の仲裁をする予定だ。しかし両国が痛恨の過去を拭って真の友人になるには、化学的反応を起こさせる触媒が必要だ。真の反省ということだ。

  先日北京で開かれた国際会議で、ある米国人日本専門家がこう述べた。「日本は韓・中に数えきれないほど謝罪をした。これ以上要求すれば“謝罪疲労症”を招き、穏健派さえ背を向けるだろう」という論理だった。すると中国の学者が返した。「何度か謝罪したのは確かだが、すぐに妄言があふれるのに、それが真の反省なのか」という反撃だった。

  米国は知らなければいけない。韓国の根深い反日感情を理解せず無理に双方を近づけようとするのは、飯粒でレンガをくっつけようとするようなものであることを。

  (中央SUNDAY第351号)
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