【コラム】柳賢振と大谷、天性に挑戦する

【コラム】柳賢振と大谷、天性に挑戦する

2013年06月26日13時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  少年野球チームで中心選手を狙う息子に出された処方は左打ちへの転向。内野より守備の比重が落ちる左翼手は打撃で勝負しなければいけない。左打者が有利だという野球界の常識から練習を始めた。ぎこちなかった左打ちも数カ月経つとかなり慣れてくる。右打ちよりもやや力は落ちるが、スイングや正確度に大差はない。欲を出して左投げの練習もさせてみた。結果はよくない。扇形の範囲にボールを飛ばせばよい打撃とは違い、目標点に正確に投げる必要がある投球は“天性”に逆らうのが不可能に近いという結論に到達した。

  この難しい変身に成功した人物がLAドジャースの柳賢振(リュ・ヒョンジン)だ。国内で活躍した時、彼が右利きだったことはほとんど知られていなかった。ドジャースタジアムで右打ちで三塁打を放った時、またビッグマックハンバーガーを食べる写真を見て、初めて知られた。左投げの希少性に目をつけた父の考えで血がにじむような練習をした結果という。ここには韓国スポーツスターの誕生によく表れる“厳父コード”も含まれているようだ。ドジャース中継陣も「(慣れた)右手で投げれば120マイル(193キロ)の球速が出るだろう」という冗談で驚きを表した。

  日本の大谷翔平(19、日本ハム)。柳賢振が努力で天性まで変えたとすれば、大谷は職業野球で両立するのが難しい投打兼備の天性を人一倍の努力で守る。160キロの硬速球を投げるこの新人は高校通算56本の本塁打を記録した大砲でもある。大谷はプロ野球史ではめずらしい投打兼業を宣言した。投手として登板し、休む3、4日間は野手で出場する。18日には投手・5番で出場した。熱狂の裏に懸念もある。現地メディアは「体力も問題だが、投手と野手を交互にすれば、サインも混乱する」と伝えた。それでも大谷の意志は強い。

  2人の挑戦が心の響くのは、野球モンスターを見物する面白さとはやや違う。専門化という枠の中で、私たちの生活はますます部品化、機能化され、さまざまな能力啓発の機会を失っているのではないかという気がする。最近は中間に登場するホールド用の投手にも順序がある。数球のボールを投げれば任務は終わり。先日、1イニングに6人の投手が登場した。皮肉にもこの日、投手を何度も交代させた監督は、1987年“最後の勝負”の宣銅烈(ソン・ドンヨル)だ。延長15回まで4時間56分、マウンドを守り抜いた2人の英雄の一人。

  生産性と結果ですべてを語らなければならない速度の社会へと流れている。ただ私たちは担当する狭い領域で最高の効率を出せばよい。隠れた才能を見つけだして育て、さまざまな領域で自分の能力を発揮しながら感じる満足感のようなものは、効率性や専門性という大きい波にのまれ、つかみにくい時代だ。それだけに、右手・左手をともに使う柳賢振、投手として休む間に打者として登場する大谷のようなルネサンス的な人間の挑戦に、大きな拍手を送りたくなるのかもしれない。

  ユン・チャンヒ経済部門記者
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