【BOOK】サムギョプサルから韓国現代史が見えるというが…

【BOOK】サムギョプサルから韓国現代史が見えるというが…

2013年03月19日16時41分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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『ソウルを食べる』
  『ソウルを食べる』

  ファン・ギョイク、チョン・ウンスク著

  タビ、432ページ、1万6000ウォン

  味があり、深みがあり、温かい本だ。 ソルロンタンからプデチゲまで「ソウルの食べ物」17種類にまつわる話を扱っているが、まず、その秘法や店を紹介しているので味がある。

  高級な料理ではなく、スンデ(腸詰)、トッポッキ、庶民的な話が中心で、他のどのグルメ本より深みがある。 さらに夜間通行禁止があった時代、清津洞のヘジャンク(酔い覚ましスープ)店の未明の風景のように、過去を思い出させる温かい話もある。

  「プロレスがある日には奨忠体育館が満員になる。 プロレスが終わった後には、体育館の向かい側のチョクパル(豚足)店が客で埋まる。 金一(キム・イル=大木金太郎)の頭突きを見た後、“体力は国力”と改めて感じるソウル市民は、特別に体力を鍛える方法がなかったソウル市民は(…)一皿の豚足を前に、誰かが『東医宝鑑は…』と豚足の健康食論を語り始める…」。

  1970年代に大規模な養豚団地が造成され、豚肉が輸出されたが、足と頭、内臓、血などはこの地に残り、市場でスンデ(腸詰)、モリコギ(頭の肉)として提供された…80年代には豚肉のロースなどの輸出でサムギョプサル(豚バラ肉)が国内に残り、韓国人だけの“サムギョプサル神話”が作られた…など、現代史の影が見える。ドキュメンタリーのようだが、それだけではない。

  詩人の朴木月(パク・モクウォル)が弟子に辛い冷麺を食べさせた後、「今後、苦難に直面すれば、汗を流しながら食べた冷麺のことを思い出して乗り越えなさい」と話したというエピソードが、「咸興冷麺は北で使われた言葉ではない。 韓国戦争(1950-53)後に咸境道出身の失郷民が名声ある平壌冷麺に対抗するため、故郷の麺料理に咸興冷麺という名前を付けた」という歴史が、一緒に書かれている。

  30、40年前は富裕層や政治家が好んだという高級ブデチゲのジョンソンタン、労働の疲労と空腹を癒してくれる永登浦カムジャタンと往十里コプチャンが、なぜソウルの食べ物に選ばれたのかを、著者はよく表している。

  副題は「飲食に見るソウルの生活と記憶」だが、店の紹介も抜けていない。 粉トウガラシとニンニク、モチを油で炒めた昔のトッポッキを売る通仁市場の「元祖ハルモニトッポッキ」、細かく粉砕した脂の塊りを加熱して出した油で緑豆ピンデトックを揚げたように焼くパゴダ公園横の「ユジン食堂」など、隠れたグルメ情報に触れられるのもこの本のよいところだ。

  本がこのように多彩になったのは、コラムニストとグルメ紀行作家が1年近く一緒に歩き回った結果だ。 したがって2冊の本を読んだような飽満感を感じることができる。

  キム・ソンヒ・ブックコラムニスト
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